ぶつぶつ日記
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2001年10月29日(月) colacaco的パレスチナ問題再考その3

【可愛さあまって憎さ100倍】
よく「日本人はアメリカが好きだね」と嫌みったらしくアラブ人に言われるが、
実は自分達だってかなりアメリカが好き。
アメリカに対して過剰な憧れを抱いていると言っても過言ではない。
以前、ヨルダンのパレスチナ家庭に泊まっていた時、
連れられて行った親戚のうちのクーフィーヤをしたおっさんまでもが、
「お、ブロンドの時間だ♪」といそいそとアメリカドラマにチャンネルを合わせていた。
彼らがあこがれているもの、それはアメリカのもっとも華やかな部分だけで、
勘違いもいい所なのだけれど、それは日本も笑えない。
アメリカの映画やドラマや音楽を通じての影響は、
やはりとてもすごいものだ。

ところが、どんなにあこがれても、どんなに好きでも、
アメリカ的な生活は手に入れることは出来ないし、
アメリカ自体も自分達には妙に冷たい。
イスラエルばっかりを可愛がる。
ちくしょ〜、なんでだあ!
けっ、アメリカなんて〜!!!!

感情の行き違いはこんな所から始まる。
これで、アメリカがこの思いに少しでも気が付いてくれて、
パレスチナ問題でのイスラエル身びいきを少しでも見直してくれたら、
彼らのアメリカへの「愛情」も正しい方向に向かうのだけれど、
いっかなアメリカはいつまで経ってもパレスチナばかりに厳しく、
イスラエルにばかり甘い。
パレスチナ問題に関する国連決議をことごとく無視しつづけ、
何か起こるとすぐにパレスチナ側の責任ばかりを追及する。
一年以上も続いて、ますます激化している「アル・アクサ・インティファーダ」に関しても、
アラファトの指導力のなさ、治安維持力のなさを非難したが、
忘れてもらっちゃ困る。
最初に喧嘩を売ったのは、イスラエルの方だ。
人のうちにずかずかと土足で踏み込むようなまねをして怒らせておいて、
実際に胸倉をつかんだら、そっちが手を出した!
なんてそんな理不尽な話しはあるか。

「愛情」はますます鬱積した感情に変わり、
簡単なこと、自分達にはほとんど関係のないことでも、
すぐに反米感情に火がついてしまう。

アメリカはかなりナルシシティックだと思う。
「自分って素敵」、「自分って偉い」、「自分が一番」。
それもまあ良かろう。
しかし、「愛される者」の自覚も持たないと、
気が付いたら世界の嫌われ者だ。
人間、関心のないものは憎んだりしない。
愛情を裏切られた時、愛が憎しみに変わるのだから。



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