にあ日記
酒と薔薇の日々(目次の★は更新分)|酒(過去)|薔薇(未来)
「もう決めたんだったら、仕方がないね」 そう言ってアナタはうつむいた。 ワタシにはもうかけられる言葉がなく、 ただ下を向いて「そうだね」と呟くしかなかった。
グラスの表面をなぞる、大好きだった指先を見つめながら。
あの日、帰り道の交差点で、 「幸せにして貰うんだよ」 ふいにワタシの腕を掴んでそう言うと、 雨の中、駅の雑踏に消えた。 そして追いかける間もなく信号は赤に変わった。 腕に、少し湿った温もりだけを残して。
好きな人がいました。 今は大切な人だと思っています。 もう長いこと忘れていた、 受け入れて貰っていることで満たされる安心感や、 メールで見せるちょっとした優しさに潤う気持ち。 「幸せにして貰う」 それはもう大分叶えて貰っている気がします。
今は自分がその人を幸せにできるか解らないけれど、 ただ、これから幸せを感じて貰えるように努力できたらいい。
どうなるかなんて誰にも解らないから。
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