twilight shackles
枷夜(かや)



 さよならを交わして

パソコンを切って...
携帯でメールを1通送信した

返事が返ってきた

私は、ご主人様の奴隷になったとき...
まだ、私は誰かの彼女だった
彼と離れた後も、体を重ねた

それは...許されない行為だとは知っていて
どこかで、「体」を求めていた
心だけで満たされない...私の、体を...
ご主人様の代わりに満たしてくれる存在を

私の体は、そのころから快楽に
飢えていたのかもしれない
ひとりでは、満たされない...
他人から、「与えられる」快楽に...

気づいたのは、彼と別れた後からだった

私が、彼と別れたとき...
ご主人様は「私」を助けてくださった
それは、私が「奴隷」だからだろうか
一年前...はじめて、出会ったその日から私は
あなたの瞳には映っていなかったのだろうか

奴隷として、仕えて欲しかったから...
そう言って、ご主人様は、
私に何も言ってくださらなかった...
言っていれば、変わったのかもしれない
私は、同じなら...
彼女からより、先に...あなたから聞きたかった

あれからずっと、メールを交わした
朝...
9時前に、最後のメールを出した
「さようなら、...さん」
そうしたら
ご主人様から、同じように
「さようなら、...」と
返ってきた




けれど
奴隷である、私へは



ご主人様は...
さよならと
言っては下さらなかった
















私は、私の中の感情を
すべて、殺そう...

もう、誰にも明け渡さない
何も、知られないよう...

小さな、小さな箱に収めてしまい
閉めた鍵を、心の奥深くに隠してしまおう







「さよなら」という、言葉は
私とあなたとの間に交わされた









今更なのかもしれない
私の「望んだもの」とは、一体...何だったんだろう

2002年09月21日(土)
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