モスクワ留学日記
もくじ


2007年06月15日(金) 母と娘と

モスクワ プラス27度 晴れ

母さんをモスクワに招待して、数日経過しています。

まず最初に、母を呼べるくらい出世したんだなぁという思い。

それから、母を呼べるくらいモスクワに馴染んでいるのだなぁという思い。


◇◇◇


私は日中は仕事があるのであまり観光もできていないけれど

仕事の後はできるだけ面白いイベントに連れ出して、
母さんの五感を刺激しています。

感動屋で飽きっぽい彼女はとても無邪気でかわいいなぁと

わが母ながら思ってしまいます。


◇◇◇


職場のロシア人スタッフが母に興味津々で。

美穂は大人しいけど、お母さんはちゃかちゃかしてて元気ねぇ!

あまり似てないわね!


って、なぜかロシア人からは「似てない」と言われる我々。



背格好も顔立ちもよく似ていると昔から言われてきたのに

およそアジア顔の区別がつかないロシア人から「似てない」とは

これいかに?



◇◇◇


しかし異国で、旅行ではなく母と一緒に過ごす時間というのは

格別の思いがあります。


18で上京して以来ずっと、離れて暮らしてきたからねぇ。



お互い、つらい事も悲しい事も楽しい事もいっぱいあった。



そういう話に向き合うことが下手で、お互いいつも自分の心の中に収めて



それは今でもあまり変わらないけれど、



言葉少ないながら、大きな愛でつながっているんだなと



大きな愛に包まれて、今まで生きてきたんだなと



◇◇◇



昨日、誕生日プレゼントとして知人からいただいたチケットを持って

ミュージカル「マンマ・ミーア」を観てきました。


その中で、娘が嫁に行く準備をするシーンがあって


母親に髪結いをしてもらって、ドレスを着せてもらうんだよね。




「今まで21年間、父親がいなくても貴女を大切に育ててきた。


貴女は自分の思うとおり生きたらいい。」




というくだりには、もうこらえきれなくて。



うちの母も、いつも好きな通りさせてくれた。



私がロシア語を選択して上京することになった時も



モスクワに行くことになった時も



反対することなく、いつも背中を押してくれた。




私はうまく甘えられなくて




自分の感情を表に出すことができなくて




それでも、大きな愛で見守ってくれた





今回の一時帰国で、家庭内に波乱が起こって




私は母さんがいなくなるんじゃないかと思って




それはものすごい恐怖で




とても耐えられない恐怖で




母さんが戻ってきたとき、涙が止まらなかった。




安堵感で、朝まで涙が止まらなかった。





もうずっと昔に親離れしていたと思っていたのに





全然だね。だめだめだね。





表面的にはクールだけど、かけがえのない大切な家族。




いつも封印している気持ちが、昨日のミュージカルで噴出しちゃったよ。




母さんと一緒に過ごせる時間、幸せだよ。





母さん、思いきってモスクワまで来てくれて ありがとう





これからも、元気で長生きしてね。




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