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鬼束ちひろのCDを借りにビデオ屋に行ったのだが、ビデオのコーナーで前から見たかった黒沢明監督の「生きる」も借りてきた。
深夜1時半までかかって見終わったのだが、素晴らしすぎて声もでないくらい感動した。志村喬の演技力と映画の中ででてくる「ゴンドラの唄」を歌う2回のシーンが圧巻。 最初は小説家に連れられてクラブハウスのピアノに合わせて歌うシーン。これはすごい。2番まで歌うのだが、2番は志村喬のアップでずっとフィルムを回している。ピアノの旋律とずれていき、涙を溜めながら歌う様子がズームアップされたままなのだ。
そしてラスト前の主人公が雪の降る夜に公園のブランコで歌うシーン。さっきのクラブでの歌が伏線になっていたのだ。
いままで何もせずにやってきた市民課長の主人公が、胃癌を宣告されたことにより、生き方を変える。各課をたらい回しにされて棚上げになっていた児童公園設置の嘆願を最後の仕事として、各課を地道に説得して回るのだ。はじめて市民のために生きたと感じたのだろうか、雪の降る中、公園のブランコで泣きながら「命短し、恋せよ乙女…」と唄うのだ。
お役所仕事の様子や権力に媚び諂う様子が50年近くも前の映画とは思えないほど生々しい。今も全く変わっていないのではないか? 今の官僚諸君はこの映画を一度見て考え直して欲しいものだ。
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