キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
indexbacknext


2010年06月25日(金) ひとり、ふたり。




王子と別れてから、あまり哀しいと思わずに1日を過ごした。
なんとなく「本当のお別れ」のような気がしなかったから。
何故だか、またすぐに戻るんじゃないだろうか?と思った。


会社で仕事をしていると、王子からメールが来た。

「今日は遅いの?」
「少し残業するけど、そんなには遅くならないはず。」
「じゃぁ、ゴハン食べに行かない?」

おかしいな、別れたのになぁ、なんて思いながら
2人で夕ご飯を食べた。
普通に食べて、普通に帰路についた。


いつもだったら、このままどちらかの家に2人で行くけど
その日は違った。

「明日も忙しいみたいだけどがんばってね。」
「うん、ありがとう。」

2人で別の方向の電車に乗った。
いつもと違う夜。


その途端、すごく哀しかった。
電車に乗っているのに涙がこぼれてきて
周りの人に気付かれないように泣いた。
我慢しているのに涙は溢れてきて、どうして良いか分からなかった。

いつもは、駅からバスに乗って家に帰るけれど
こんな顔でバスに乗る訳にも行かないので
夜道を一人、歩いて帰ることにした。

暗闇の中、誰にも気づかれないように 大泣きしながら帰った。
30分程歩きながら泣いたら、何だかスッキリした。




自分の気持ちが分からなかった。
王子と元に戻りたいのか、それとも違うのか。
王子と一緒に居るべきだったのかな?
判断材料がぐちゃぐちゃになっていた。


正直、王子はほんとうに良い男だと思う。
良い男というか、できる男の人??と言ったらいいんだろうか?

常に何かに向かって努力を惜しまないし、
家事は全て自分でできるし、連絡もとてもマメで不安にさせないし、
私に何も求めない。
少し束縛がきついなぁと思うこともあるけれど
いつも大事にされていると思う。本当に。


でも。
私は彼の前でいつも自信がない。
「いいこだ」と思われている自信がない。
一番良い彼女だ、と思われている自信がない。
他に代わりはいくらでもいる、と思われている気がしてならない。
王子が「私」と付き合っているという事実に
私は何故か納得できていないのだ。



別れ話をしたとき、彼はこう言っていた。

「はるには、もっと自分を必要としてくれる相手がいいのかもね。」
と。


そうなのかもしれない。



多分私は、まだ"キミ"のことを忘れられていない。














別れて二日後くらいに、王子からまたメール。

「今日はるの家行っていい?」

んー、おかしいな。別れたのに。
…と思いつつ、きっと話があるんだろうなと思ったので了解。

予想は当たってた。



「やっぱり俺にははるが必要です。」



王子はそう言った。
私はまた悩んだ。答えがすぐに出なかった。

どうすればいい?
どこにいけばいい?
何を未来に見ればいい?






私の中の理性の私が『王子を離したら後悔するよ』と何度も言う。
何度も何度も。

けれど私のココロが『違うよー』と、ココロで涙を流す。







「意志と感情は別物だ。」


好きな漫画の女の子が言ってたっけ。

キミと付き合っていた頃から、よくそう思ってた。





キミと話がしたいよ。

恋人同士には戻らなくても、キミと楽しく話がしたい。
たくさん笑いたい。

あの頃、そうしていたみたいに。








そんなことを思っていたら、夢でキミに逢ったよ。


おかげで寝坊してしまったよ。









はるか |MAIL

My追加
エンピツ