キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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2011年12月18日(日) それがプロポーズの言葉だったらいいのに。


出張で2日間だけ東京を離れた。

出張から帰って来る日は夜遅くなる予定だったから
Aさんには会えないだろうなと思っていた。
Aさんも、さすがにその日は無理して会わないだろうな、と。

けれど東京に戻る日の朝メールがあった。
『帰りの便おしえて。』


本当は最終便の飛行機の予定だったけれど
雪の関係で飛行機を早めた。
『晩飯行ける?』とメール。
もちろん、と返す。


東京駅近くで待ち合わせをした。
いつもは私が駅で待っていることが多いけれど
その日はAさんが先に駅で待っていた。


12月の金曜日の夜は、世間は忘年会シーズンで
お店はどこもいっぱい。

適当な居酒屋に入って、カウンターの狭い長椅子に2人で座った。

Aさんは平日”仕事の顔”をしている。
顔に張りがあって、なんだか強い顔をしている。
わたしはその顔がそても好きだ。

2軒目のお店(安いお寿司屋さん)で、
「はるかちゃんとこうやって飯食ってるときが一番落ち着く。。
 毎日一緒にゴハン食べよう。」
とAさんが言った。

何故か、今までのどんな言葉より一番嬉しかった。


Aさんの奥さんの話など、色んなことを聞いた。
Aさんの奥さんはもちろん美人で優しくて、明るくて。
Aさんが朝帰りをしたとしても、深く追求しないらしい。
けれどそれは愛が冷めているから、という訳ではなさそうだった。
それが彼女の優しさだから、と彼は言った。


「じゃあさ、期限を決めよう。」
と突然言われた。


私は”この期限が来たらキッパリ別れる”という”期限”のことかと思った。


---期限が来たら、どうなるんですか?

と私は哀しい顔をして彼に聞いた。


「期限が来たら、俺の側室になる。笑」

意外な答えで少し驚いた。


---だめです、なりません、と笑って言うと

「冗談でもいいから『そうですねぇ』って言ってよ。笑」と笑われた。







その日は私の終電ギリギリまで一緒に食べて飲んだ。

帰り道、どういう経緯だったか忘れてしまったけど

「(はるかちゃん)ひでーな。もう別れよ。笑」
と言われたので

---(仕事のプロジェクトメンバもろもろに)バラしますよ、と笑って言ったら

「…腕上げたな!笑」
とAさんは笑ってた。


---Aさんに育てられてますからね、
「そうだな、さすがだな。
 ・・・あーあ・・・今日ちゅーできなかったな。。。」
哀しがるAさん。

本当は一軒目のお店を出た階段でキスされそうになったけど
さすがに周りに人が多すぎて避けてしまった。


本当は抱きしめて欲しかったけど
そんな事は絶対に言えなかった。
私からは何も。



いつまでこんなところに留まっているんだろうね。
笑っちゃうよね。








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