水野の図書室
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2001年12月10日(月) 宮部みゆき著『過ぎたこと』

地味な物語です。ハラハラもドキドキもワクワクもありません。
宮部みゆき著『人質カノン』から、五つ目の物語は『過ぎたこと』。
地味ながらも、味わいがあります。「過ぎたことだから」とつぶやいて、遠くを
見つめるお姉さんの隣に座っているような感じです。
あ、主人公は40代と思われる男性です。 笑

「私」は、探偵事務所の調査員。結婚して20数年。子どもはいなく、妻と
二人暮し。古書店街をぶらぶら歩いて、本を買うのが好き・・

うん。こういう人、いそうです〜
探偵事務所には、まだ行ったことありませんが(これからも縁がなさそう)
ちょっとのぞいてみたい気もします。

「私」は、電車の中である青年の顔を見て、はっと気づきます。
その青年は五年前に事務所にやってきた中学生に違いないと。
その中学生が事務所に来たのは、ボディガードを頼みたいということでした。
彼は学校の外でいじめにあっていて・・って、

   また、いじめですかっ!!!

昨日の『八月の雪』もいじめが底を流れていたのですが・・
彼は「私」にシャツの前を開いて、身体に残るあざを見せ、いじめグループ
のことを話します。
ところが、彼が書いていった名前も住所もデタラメのものでした・・

彼はいじめをどう乗り越えたのかわからないまま、「私」は青年の今の姿に
過去を思います。

うーん、少年側の五年間が知りたいですーー!!
宮部みゆき様。この物語、とっても美味しいスープを欲しい量の半分しか
飲んでいないようで、おかわりしたいのです〜☆

   少年側からの五年間を書いてくださいませんかーーーー!!!

「過ぎたこと」かもしれませんが・・・

宮部みゆき著『人質カノン』(文春文庫)に収録の『過ぎたこと』は26ページ。
どんな場面も小説になるのだと感じた8分。

いじめに対して学校側のことなかれ主義には悲しくなります。。












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