水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2001年12月11日(火) |
宮部みゆき著『生者の特権』 |
小説にでてくる名前が、自分と同じ名前だったことはありますか? カッコいいヒーロー、ヒロインと同じ名前なら、まあ、いいですけど、 犯人や被害者と同じ名前だったら、気が滅入るでしょうね。
今日の物語の主人公は、田坂明子といいます。そこの田坂さん、ドキッと しました?読み終えたら、この名前、もっと好きになりますよ。 宮部みゆき著『人質カノン』から、今日は『生者の特権』です。
深夜の街を、明子はひとりさまよっていました。 飛び降り自殺するためのビルかマンションを探していたのです。 結婚を考えていた恋人から突然つきつけられた別れ。彼には他に付き合って いた女性がいて、明子の知らないところで彼らの結婚が決まり・・ 明子は、彼の人生に傷痕を残してやるために、復讐のために死ぬのだ・・って、
早まらないでーーーー!!! 死んだって、彼は罪悪感なんて感じませんっ!! 失恋で自殺されちゃあ、日本の未来はどうなるんですかぁ〜 少子化問題どころじゃなくなります〜
これから自殺するというのに、明子は「手頃なビル」が決められません。 高すぎない方がいいとか、新しいビルがいいとか。 そんな時に、小学校に忍び込もうとしている少年を見つけます。 !放火!だと直感した明子は、少年に声をかけて、身の上話を聞くことに。 彼は小学3年生。教室に宿題のプリントを取りに行こうとしていたのです。 なぜ、こんな深夜に?と尋ねる明子に、彼は意外なほど素直にいじめグループ に宿題を隠されたことを打ち明け・・って、
またまた、いじめですかっ!!!!!
『八月の雪』では、いじめグループから逃げる時に交通事故に合った充は 右足を失い、ひきこもるようになりました。 『過ぎたこと』では、いじめグループから守ってほしいという中学生が 探偵事務所にボディガードを頼みに来ました。 そして、今日の物語『生者の特権』でも、いじめが底に! 今日は、小学3年生・・はぁ・・やりきれません。。
明子は少年といっしょに夜の学校へ・・
学校に忍び込んだふたりの様子が、まるで同級生のようになって、なかなか いいです。学校にお化けがでるという噂をささやきながらの冒険です。 自殺するつもりでいた夜に、たまたま少年と出会ったことで、明子は 本当は生きていたい自分に気づいていきます。
読み終えたとき、勇気をもらったような気が。 宮部みゆき著『人質カノン』(文春文庫)に収録の『生者の特権』は49ページ。 失恋といじめの共通点を知った15分。 失恋自殺なんて、つまらないです。自分の人生、大切に・・
それにしても、いじめ関連短編を三日続けて読むことになるなんて・・ うーん、やりきれません。。
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