水野の図書室
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2001年12月12日(水) 宮部みゆき著『濡れる心』

「事実は小説より奇なり」・・これ、誰の言葉だったのでしょうか。
確かに、世の中には、理解できない事件がたくさんあります。理解できない
人もいます。でも、自分の理解なんて、自分の小さな尺度でしかないのかも。
今日の物語は、一文字で表すと『奇』です。ちなみに、今年の世相を表す
一文字は『戦』だそうですね。(by 日本漢字能力検定協会)

宮部みゆきさんの短編集『人質カノン』から、最後の物語『濡れる心』。

その朝、照井和子は、子ども達の騒ぐ声で目を覚ましました。
マンションのリビングルームが水びたしになっていたのです。
上階に住む大学生の部屋の給水管の接合部に、ひびが入ったのが原因でした。

うひゃーー!そんな!!築5年で、漏水ですかぁー?
マンション全体の配管の掃除は高圧力をかけてパイプの詰まりを取り除くので、
配管の痛んだ部分が圧力に負けてひびが入り、漏水を起こすことがあるのだ・・

なるほどー!! マンションの配管、一口メモですね〜

和子は呆然とします。夫の転勤で一家で松山に移り住むことにしたため、
この東京のマンションは売りにだすことにしていたのです。折りしも、
この日はオープン・ルーム。部屋を自由に見てもらおうと不動産やと計画
していたのに・・・。やがて、修理が終り、買い手が見つかります。
驚いたことに、その買い手は謝罪に来たとき反感を持った、上階の大学生
一家でした。そして、その一家には大きな秘密があったのです・・

この秘密が、おおお!!!なのです。← 興奮してます 笑
こんなことって、こんなことって、あるんでしょうかぁ〜宮部さーん!
ラスト4ページで突然明かされる秘密。しかーし、物語のあちこちに伏線が!
物悲しくもあり、奇怪でもあり・・

宮部みゆき著『人質カノン』(文春文庫)に収録の『濡れる心』は35ページ。
面白かった〜♪の15分。
この短編集、一番のおすすめです。









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