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■ 寂。
あの人からの着信音は相変わらず。 あたしの好きなアーティストのもので。 それが鳴る度にドキドキする。 反則だよ。
今日はちょっと元気だったみたい。 電話越しの声は明るく。 「もう寝るだけだー」って聞いたから、 「これから課題やんなきゃだよー」と愚痴って。 体調を気遣いながら、 お互いの予定を必死に合わせて、 試合のチケット情報を調べて、 ホームセンターに行ける日取りや、 一緒にビデオ見る約束なんかをしたりした。 「部屋の棚はもうペンキ塗ったの?」って言われて 「時間ないし身長もないから、やってないよー」って。 そういえば、すっかり忘れてた。 なんか、あの頃に戻ったみたいだった。 何処かに漂っていた気まずさは段々微弱になっている。
時間にすればたった二十分なのに、 ちょっとの時間であたしはすっかり元気になっていて。 最近の、 じめじめしていた空気に当てられて弱っていた身体は とたんに力が漲った。 ここまで影響を与えられてるなんて吃驚。
「こまめに連絡しろよー」なんて言われたら 嬉しくなっちゃうでしょ。 思わず口から出るのは軽口ばっかで、 相手のボケに突っ込まないで乗っちゃうから 収拾つかなくなって二人でダメ出しする。
嗚呼、もう。 どうしてこの人は、 こんなにもあたしの心を穏やかにするんだろう。 一緒に生きていたいと思ったよ。 あたしに生きる切っ掛けをくれたのは違う人だけど この人と一緒に歩きたいと、 たった一月で思ったよ。 考え方や、思い、意見が、とても好きだった。 人とは違うその見方に酷く惹かれた。 その目にあたしが映っている事が、とてつもなく嬉しかった。 駆け抜けるようにして去って行った時間は、 数年を凝縮したかのようで。 すっかり心を許していた。 話し方さえ似た。 視線の動き方や、仕草の意味もわかるよ。
「戻りたい」って、言いたい。 あなたが側にいないのは寂しいです。
2005年07月01日(金)
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