即興詩置き場。

2002年02月21日(木) ネット詩は楽しい? いや、つまらないけどさ。


全体像を見据えるなら、「つまらない」という意見は正しいと思う。
文芸の1ジャンルとして詩を捉えている人にとっては。

もちろん質の高い作品は生まれてくるし、
そういうのを読んだりみつけたり集めたりするのはすごく楽しい。
けれど、そんなことするんだったら、
本屋巡りしてお気に入りの詩集を探してるほうがよほど楽しい。
詩誌を読み耽ってお気に入りの詩人をみつけるほうが、楽しい。

真面目な話。客観的に見れば、そう。
だから相手にされてこなかったんだよ。紙媒体の詩誌や詩人たちに。
今までずっと。

ネット詩に目を向けてもらうために、
「質の高い詩もありますよ。つまらない詩ばかりってのは偏見ですよ」って
言い始めてるんだけれど、
ネット詩の財産ってのは、本当はそこにあるんじゃないんだよね。

ネット詩の財産は、我々自身だと思ってる。
こうやって、詩についていろいろ考えてる、そしていろいろ楽しんでる自分たち。
そういう人たちが、目に見える形で存在している。
それが一番の財産。


不思議に思うことがあって、
なんで現代詩やってる人たちのほとんどは、
詩のサイトで遊ばないんだろうって、考えるのね。
自分自身のサイトを持ってる人たちもいるのに、
投稿のひとつも見たことない。
議論に加わったりすることもない。
自作詩を投稿サイトに投稿した現代詩人の話なんか、ほとんど聞かない。
プロだから? 違うよねそれは。
話が合わないから? そんなこともないでしょう。

詩の投稿サイト作ったり、そこで批評したり、見聞を広めたり、
そういうのは、本当は俺たちの仕事じゃないんじゃないだろうかって、
ふと思うこともある。
俺の言ってることはまるきり見当違いかもしれない。
他の事情があって、そういうことができないのかもしれない。
でも、見当違いだよって言ってくれる人もいない。
なぜ? なぜなんだろう。
こんなふうに、目に見える場所に俺たちはいるのに。


「つまらない」と言ってそこでおしまいにするのはとても簡単。
そうやって切り捨てて自分だけ前に進むんだったら、誰にだってできる。
もったいないと思わないのかな?
というか、「つまらない」状況にしてるのは俺たちだけのせいなんだろうか。
面白くしようって思う人が、こんなに少ないのは何故なんだろう?

少なくとも俺は、紙媒体中心に活動しているいろんな詩人さんと、
“直に”詩の話がしたいと思ってるし、
いろいろ教えを乞いたいとも思ってる。





今年中に、2つの商業詩誌が
詩誌の投稿欄へのメール投稿受付に踏み切るという話を聞いている。
そういうのがすごく楽しみだったりする。
壁が少しずつ崩れていく。


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