いぬの日記
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2002年09月17日(火) |
「銀河の荒鷲シーフォート」 |
「銀河の荒鷲シーフォート」(デイヴィッド・ファインタック・ハヤカワSF文庫)(新書版も出てる)
皆さん知ってますか? これは危険な小説です。 シリーズもので、どの話も上・下巻の構成になってて、 1冊が確実に親指の幅以上に厚いのに、 読み始めると一気にとにかくラストまで行ってしまいます。 SF的描写はつい斜めに流してしまいかちですが、 SF小説というイメージよりははるかにその手の説明文は少ないです。 戦略・戦術的解説がない分、田中芳樹よりも断然少ない。(笑) 魔が差して手にとった瞬間、すでに私の3時間半は奪われたも同然なのです。 ついつい上・下巻セットで買っちゃうのがまたいけないんだな・・・。 最初の2章(4冊分)で身をもってその脅威を体験したため、5・6冊目にはなかなか手を出せません。 ぐおお・・・だって買うと読んじゃうんだもん・・・。 さ@らまで自転車を走らせないと買えないってのはむしろ救いかも。ふうう。 はやく続き読みたいです。 あー・・・いつ買おうかなあ。
粗筋を述べましょう。 ていうか主人公について述べます。語らせてください。 以下、嫌な予感がする人は飛ばして下さって結構です。(笑)
時ははるか未来。 人々の生活は宇宙へ広がり、資本主義が崩壊し、 銀河の治安を統一軍が守る世の中。 有能で抜群の判断力と決断力を持ちながら、 過剰な自省癖と自己過小評価癖のある、 頑固でくそまじめで部下思いで、 自分の宣誓を守ることに自己のアイディンティティをおいている (そのため軍の法規は命がかかっても遵守する) うら若く経験の浅い宇宙軍人(登場時なんと17歳)が、 宇宙航海中の事故でしょっぱなから艦長になってしまい、 それを皮切りとして起こる数々の公私併せた不幸に見舞われつつも、 誰より上手く事態を切り抜け、 部下をたらし、育て、愛されまくり、 そして周りの評価なぞお構いなしに自虐的に自省しまくって落ち込んで泣くのが これまで(4冊)読んだ中でのパターンです。 彼は誰より公正で、また、公正であることに耐えうる強さを持った人物です。 悩み苦しみ、それでも正しい決断をしてく彼。 何度も(これでもかというくらい)襲いかかる未曾有の危機に対しては 誰よりも決然と必死に立ち向かい、 決してあきらめず、皆を生かします。 頑固で意固地で、法規と規律に固執し、 じっくりと丁寧に正確を期す己のスタンスを変えようとしない彼は、 決して最初から誰とでも上手くやれるわけではありません。 むしろ衝突しまくり。 しかし、航海半ばにはみんな彼にめろめろです。 私もめろめろ。 あのですね、ヤン提督とは全く違うのですよ。 似てるんですけどね。比べられないのね。 文系なところ、出世に対して欲がないところ、 部下に愛されまくるところ、 広く公正な判断力のために、上司ににらまれたり、 凡人には理解できない命令をしちゃったりするところとか。 一見似たタイプに見えるんですが。 (あ、でも彼はチェス強いです) しかし彼は誰より軍人らしい軍人です。 艦内における厳しい規律や上下関係の意味や価値を良く分かっていて、 それを後生大事にします。 ヒステリックなわけでも、気性が荒いわけでもありませんが、 基本的に人の言う意見をなかなか聞きません。 特に温和ということもなく、たまに物凄いキレ方をする人で、 軍人らしく暴力の価値をきちんと知っています。 あまりに頑なで、とても全面肯定できる人ではありません。 でもその、あまりに真摯でいっそ滑稽なまでの生き方が! これでもかという不幸な困難に対する、胸をすくような決断力が! 可愛くて格好良い魅力的なキャラクターが! 私の心をがっちり掴むのです。 他のキャラクターもたってて面白いです。 タイプの違う問題児たちが艦長にめろめろになっていくのも面白いです。 (語弊あり)
・・・あー・・・疲れた。 何かすごい酷い文章になってしまったが、 読み返す気力がないのでもーいいや。 今度読み返して耐えがたかったら修正します。すみません。
結構痛かったり辛かったりが平気な人、 本に多少時間を取られても平気な人は読んでみてください。 そして感想を延々と述べてほしい・・・。 りー。さんどうですか? 読まない?
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