雨のち晴れ...scbellen engel
たくましく - 2002年08月10日(土)


本来、私は猫が苦手。
見たり撫でたりするのは平気だけれど
飼うとなると・・・気まぐれだし あのザラッとした舌で
なめられるのがだめ。
盛りのついた時の鳴き声とか・・・。

そんな私が一昨日の晩、公園の滑り台で寝ころんで本を読んでいると
一匹の子猫が近づいてきた。
ちょっと撫でてみようとしたけれど
警戒心が強いから、すぐにどこかに行ってしまった。
ところがである。
今日はベンチで本を読んでいた。
そこに、その時の子猫が現れた。
私は、ちょっと「にゃぁ」なんて言ってみたら
その子は私の膝の上に乗ってきたのである。

     w(°o°)w おおっ!!

びっくりしたなんてもんじゃない。
しかも、すごく甘えてくるのだ。
猫の事はよくわからないが、生後4ヶ月くらいだろうか?
風邪をひいてるみたいで鼻をくしゅくしゅ鳴らしてた。
私が話しかけたり撫でたりしても
いっこうに行く気配もなく安心しきって眠ってしまった。
可愛かった。
でも、うちには犬がいるし その世話だけでも
もう大変なんてもんじゃないので
家では絶対飼う事はできない。
かといって・・・。
30分くらい動けずにいて、でも私も帰らなければ
ならなかったから、その子を抱いて公園を半周くらいした。
そして、それまで鳴かなかった子がミーミーかすれるような声で
鳴きだした。親を捜しているんだろうなぁ・・・なんて
勝手な想像をしながら、話しかけ続け歩いた。
おっきな凶暴的な猫がけっこういる公園なので
そこらに震えるこの子を置いてはいけない。
さて、どうしよう。
その公園は動物広場やポニー牧場なるものがあるところなので
捨てるような気持ちになって、すごく悲しかったし
でも少しでも安全なとこに置いていってあげたかった私は
小動物広場の柵の中にその子をそっと入れてきた。
私が捨てたのでもないけれど、本当に可哀相で
しばらく その子から見えない場所から見ていた。
園内の隅っこで、その子は座ってじっとしていた。
時々、親を呼ぶような声でミーミー鳴きながら・・・。
私は(ごめんね)と何度も心の中で謝った。
そして雄猫だったので(たくましく強い子になるんだよ)と
願って、後髪をひっぱられる思いで その場を後にした。
猫の方から私に寄ってくるなんて。
何年か前、私は猫は二度と飼えないと思った事があったので
それ以来、猫には近づかない事にしていたんだ。
そんな私に寄ってきてくれて、眠ってくれて。
この気持ちは忘れたくない・・・。


昨日は昨日で、本をよんでいたら
今風の・・・なんていうんでしょ?
渋谷あたりに、たくさんいるような ちょっと
見た目怖い系の青年が近づいてきて驚いた。
話し相手になってほしいとの事だった。
私は警戒しながらも少し話しをしてみることにした。
青年は22歳で宮崎から上京して3年になるという。
自分の店を持つのが夢で修行したくて出てきたという。
今は無国籍料理の店で働いてるとの事で
色々はなしていくうちに、22歳にして
とてつもなく自分をしっかり持ってる青年だと感心した。
おかしかったのが、いつのまにか
私の話になり、お説教されてた事。(笑)
でも、確かに青年のいう事はあたっているのだ。
見透かされてるとでもいうのだろうか?
休日も仕事の事ばかり考えていて
いろんな料理の勉強がしたいという。
上京する前には調理師免許もとっていたという。
私の22歳の時・・・
情けなくて書けたものじゃない。
本当に、そんなたわいもない会話をして青年とは
別れたが、私にとっては何か とてつもなく大きな
出会いだった気がする。宮崎弁で話すから「やろ?」
なんて調子で話すんだけど、中身はとても濃かった気がしてる。
少し勇気をもらった気もした。
たくましい青年だなと思った。


子猫も青年も、たくましく・・・
強く・・・大人になってほしいと願わずにはいられない
夜の出来事でした。




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