状況は最悪。 親父に放り出されリュナンと脱出したはいいが、非難市民の波にもまれてはぐれてしまう。兵はもうわずかしかいない。 「だーーーーっ!!!なんだこの兵数は!!撃っても撃ってもやってくる。きりがねぇーーーー」 ぼやきつつも、矢を狙い放つスピードは緩めない。 その斜め下にいる、少女は武器をかき集めて言葉を返した。 「ホームズつべこべ言わずに撃たないとこっちがやられちゃうよ〜!!」 「ああああ、わかったわかった!とにかくそっちに隠れろ。それにしてもリュナン達はどこにいるんだ?無事だといいんだが・・・。」
と、背後から声が 「人の心配できるとはずいぶん余裕じゃねえか、ホームズ。」 振り向けば長身の男が。 ・・・こんな傭兵うちにいたっけな・・・・
その顔を見事に読み取られたようで、 「・・・・忘れてやがるな。お前のとこの傭兵じゃねーよ(怒)」 「若、すみません。この男が提督に会わせろと・・・」 「なにぃ、親父は取り込み中だ、というかこの状況だ。どこにいるかなんて俺もわからねーよ。・・・っつーか、お前・・・誰だ?」 その瞬間、男の剣の鞘がホームズの腹に直撃する。 「ぐっ・・って、ってめーーーーー。その嫌味なまでの余裕ズラと嫌がらせは、イルのシゲンか!?」 「ふん、鈍いやつめ。まあ、いい。そうか、提督はやはり・・・・。 おい、ホームズ。押しかけ土産にいいことを教えてやる。 現在の状況は自軍と敵軍の比率にして2:8だ。 ちなみに、敵軍追加投入で増援が西より接近中ときてる。 数はわからんが提督が手怖いことを懸念しての投入だから並の増援ではないだろう。」 ホームズは腹を押さえ咳き込みながらも、驚き振り向く。 「これ以上増援が・・・?息の根をとめようっていうのか。ちっくしょう・・・。とりあえずあの将軍の首を串刺しにしねぇと気がすまねぇ!!!」 「将軍?そんなのとっくに代理の指揮官おいて帰還してるぜ。もう向うも半ば落としたと思ってるみたいだしな」 シゲンはまだ腹を抑えているホームズの顔を覗き込む。 「別にお前の骨を拾いにきたわけじゃない。状況は教えてやった。さぁ、お前はどうする?」 「・・・・・。」 「ホームズ・・・」 「若・・・」 沈黙が広がる―――――――――。 「・・・・ね だ。」 押し殺したような声だ。 「?」 「まだ、押えられていないはずだ」 「は?」 ホームズはいきなり立ち上がり奥にいる大男に向かって叫ぶ。 「ガロ――――!!!船はいつものところか?」 あっけをとられた皆のなかから返事が返る。 「へ、へぇ。恐らく昨日整備入れたばかりだったんでまだ動いてないはずです。」 「おい、シゲン。港は押えられていたか!?」 「いや、聞いた情報にはなかったぜ。だかかなり混乱してるしこの兵の数では時間の問題だろう。」 「そうか、時間がないか・・・。とにかく、まず船を取りに行く。」 「若、じゃあ、俺が・・・」 ガロが前に出るがホームズはそれを制止するように手をあげた。 「いや、時間がないし、俺が船を回す。ここも引き付ける必要があるからお前は後続隊を任せたい。いいか、今から2つに隊を分ける。1隊で船をとりにいき、いつもの整備小屋がある入り江に船を回す。残りは兵を引き付けながらそこに向かえ、できれば拾える負傷兵も拾って来てくれ。」 その言葉に皆がざわめく 「しかし、それでは若が狙い打ちに!!!」 「いや、狙い撃ちにはさせねーよ。ここに丁度よく俺に似た目つきの悪い男が来たじゃねーか。」 この非常事態を楽しむがごとく微笑みながら、シゲンに顔を向ける。 「おまえ、まさか・・・!?」 「こんな、戦争中にのこのこと来てくれたという事は当然、手伝ってくれるだろ?まさか、このまま帰るなんてことないだろうしな!!!!」 シゲンにはその微笑が悪魔のように見えた。
====================== こんなん書いてるとホモ好きって言われるんだろうか。かけひき、というのであれば男女のものより男男のほうがスリルがあるからすき。シゲンとホームズって親愛とか情愛とか無くってどちらかというとお互いの手駒というイメージが強いです。お互いうまく利用しあってるね。こう書くと言葉がわるいかな? どちらにしても、意味不明な妄想・・・・。
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