「小鹿どもはちゃんと脱出したものか。それにしても、やつらは派手に壊してくれるものだな。つけとくにしては大きすぎるが・・・・。」 「提督様・・・。」 「そうも、いってられんか」
・・ダ・ダ・ダダダッ。バン!!!
派手に扉が開く。 「おう、まだいたか。早く出んと巻き込まれるぞ」 「提督〜!!!まだこんなことろにいたんですかっ!もう、敵兵は下まで来てますよ!!お願いですから脱出してください。あなたまで捕まれば、私たちはどうすればっ!」 「わっはっははは!!」 「笑ってる場合ですかーーーーー!!」 「捕まる気なぞ、毛頭無いわ。おい、ハンス、どうして俺が今までここに残っていたか分からんか?」 「あああああ、もう、謎かけごっこしてる場合じゃありません〜〜。もう、来ちゃいますよう〜!!!」 「ちっ。わからんやつめ。さすがに2人は保護し切れんからなぁ。しょうがない・・・。」 つかつかとバルコニーに歩いていき窓を開ける。 「こっちは大丈夫だな。おい、こっちに来い。」 「なんですか・・・。」 「いいから、ここから飛び降りろ。」 「何言ってるんですか?出るなら提督が先ではないですか!!」 といい終わる前に彼の体は既に宙になげだされてた。 派手な音を立てて茂みに男の体が埋もれる。 「いてて・・、もう。いきなり何を・・・」 と見上げるとすでに提督付女中が下ろされようとしている。 「おい、早く受け止めろ。お前には世話になったな、・・・気をつけてな。」 「・・・・御無事をお祈りします」 何とか彼女は紐づたいに降ろされた。 「提督も!!早くお降りください!!」 「俺は、別の逃げ口から行く。お前はとりあえずここを脱出しろ。その茂みに隠れて館の東出口へ向かえ。あそこのそばに馬小屋があるから、それにのり彼女を連れていったん砂漠へでろ。ここが落ちればお前も追われる身になるからな。しばらくはここでは見境無い争いが続くからほとぼりが冷めるまでおとなしくしてろ。」 「て、提督は〜!!」 既に半泣き状態である。 「ああ、情けないヤツだな〜。俺はしめるとこしめてから脱出するって言ってるだろ!!安心しろ、俺は死ぬ気はない。・・・もちろんグラナダもやつらにくれてやる気はない。 そもそも、どうして俺があの馬鹿息子を先に出したかその意味がわからんか?」 「!・・・・でも」 「でももくそもない。とっとといけ!!」 身を翻すとそのまま姿はみえなくなった。 そして窓はぱたりと閉じられる。
「て、提督ぅぅ。」 泣いたまま呆然と上を見上げているハンスの肩を女はたたく。 「行きましょう。提督様は勝てない勝負はなさらない方。私たちに今できることはここを脱出して生き延びることです。」 その言葉にかっとなり、 「なにを、悠長なことを!!」 と振り向いた瞬間にその女も泣いていることに気づいた。 はたはたと零れ落ちる涙に何も言い出せないでいた。
そして二人はゆっくりと東へ動き始めた。
=================== 偏頭痛爆発中。気持ち悪い〜。(←とっとと寝なさい)
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