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■ 伯父
私の母親は三人姉妹の末っ子だった。 長女夫妻と次女夫妻が、自分の母親と関西で一緒に暮らしていた。 その祖母が今年の正月に亡くなった。 そして・・・
長女の旦那さんである伯父の訃報が舞い込んだのは、今朝の10時過ぎ。 解離性大動脈瘤の破裂により、 一度も意識を回復することなく逝ってしまったようだ。
長年にわたって義母の面倒を見てきた伯父は、 正月にその大役からようやく解放され、 これからやっと夫婦の時間を持つ事が出来る矢先の出来事。 残された伯母の心中を考えると、 かける言葉も見つからない。
伯父の人生はどうだったのか。 定年後の人生に待っていたものは、 心豊かな老後ではなかったのではないだろうか。
8年前に突然襲った阪神大震災により、長年住んだ家を追われた。 それまでも義母の面倒を見続けていた夫妻は、 一念発起して家を建て、階上に義妹夫婦を住まわせた。 そして3年程前・・・ まず妹夫婦の旦那さんが倒れた。 そして今年の正月に祖母が逝き、 今回運命の矢は、伯父本人に向けられたのだ。
伯父の人生に物申すつもりもない。 伯父の人生であり、自身がその選択を行ってきたのだから、 そこには間違いなどあるはずがない。 そしてまた、色々と悔いが残ったであろうと言われる中で、 そんな悔いなど残らず、伯父自身の天寿を全うしたのだと考えたい。
人生に起きる出来事は全て偶然のようでありながら、実は必然である。 おそらく伯父の死もまた、なるべくしてこうなった結果であると・・・ 将来においてその必然の意味が解明されないとしても、 少なくとも自分はだけはそう思っていたい。
人はいつか必ずその時を迎える。 人によってそれが早いか遅いかはあろうが、それもまたその人の天寿。 そう言いつつも、年老いた自分の両親を見るにつけ、 その時が確実に迫っているのだという思いもある。 もっともその時を迎えるのに、確たる順番など存在はしないが・・・
伯父の冥福を心から祈る・・・
2003年03月26日(水)
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