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知らなくてもいいこと■2003年01月08日(水)
秋頃、高校時代のとある友人がその彼女のとの間に子を作り、それがきっかけで結婚した。
その友人がほかの女に二股、三股かけてもめにもめた二人だったが、「年貢の納め時」だと仲間内で祝福した。
年賀状にはjust Married“結婚しました”、と書いてあった。
それが今日、その友人を含め3人で会ったときのこと。
子どもは流産になった、と本人から聞かされた。
確か、4ヶ月くらいだったはずだ。
医者に言わせてみれば“最近では3回に1回くらいの割合でこういうことがある”ということだ。
もっともそんな数字は慰めにもならず、彼の奥さんはだいぶん荒れているそうだ。
父親である彼が流産そのものをどう受け止めているかは分からなかった。
自分の奥さんの気持ちを鎮めることしか頭にない様子だった。
僕は何も言えなかった。
憂うつだった。
流産の話が出てから、3人の会話がぎごちなくなり、その友人は先に帰っていった。
僕はもう1人の友人の車で送ってもらった。
帰り道、その彼は「奴も二度と女遊びしなくなるだろー。これがきっかけで嫁さんのことをちゃんと大切にするようになるんじゃないか。」と言った。
僕は何も言わなかった。
怒りを覚えた、しかし、何も言わなかった。
この人は子を失うということを、まだ知らないのだ、と。
人のことは言えない、僕も数ヶ月前までは同じく無知で軽く考えていたのだから。
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