気ままな日記
DiaryINDEX|past|will
デパートの5階のおもちゃ売り場のような喧騒と、ひっきりなしの電話、人々の慌しい出入り、そしてこれまたデパートのお好み大食堂のような食堂・・・。 そそくさと昼食をとると、わたしは図書室へ向かう。 お昼休みのひととき―。 そこに置いてあるたくさんの専門図書は、わたしとは別の世界のものばかりで、何も語りかけてはこないけれど、わたしがわたしに戻ることのできるつかの間の時間。 窓際の、前から3番目の、自分で決めた指定席に腰をおろす。 遠くから子供の泣き声が聞こえる。 仕事中はただの「音」としか聞こえない子供の泣き声も、この席で聞くと、赤ん坊の泣く声は泣く声として、幼児の騒ぐ声は騒ぐ声として、ちゃんとわたしの耳に届いてくる。 わたしを翻弄し、正体不明と思われる感情も、この席に座って考えれば、ひとつひとつちゃんと言葉をもったものとして、わたしに訴えかけてくる。 わたしにはこの時間が必要。 わたしがわたしでいられるこの時間を、失いたくはない。
|