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「 飛蚊症(ひぶんしょう)の世界が苦しめる 」
2025年08月17日(日)


 呼吸が止められてしまったときの、血がにじむような息苦しさ

 月に数回、やってくる

 「そうやって、なんにも、なんにも無くなるんだ」

 声で追い打ちをかけられる

 
 「私は一人で生きているわけではない」

 「この年まで生きてこられてよかったじゃない」

 「今日一日さぼったからでしょ」

 「飛蚊症(ひぶんしょう)のように変えられないもの」

 そういう一時しのぎで抑えられないのは、月に2,3度


 「何もかも、なくなるんだ。地位も、文章も、金も、家族も何もかも」

 「どうしてみんな気が狂わないんだろう。そもそも気が狂わないって何だろう」

 
 今月初めで出た飛蚊症は、この世界を正常に見ることへの疑念を、秒ごと、分毎に教えてくれる

 この世界を正常に見ていること、狂ってみていること、その違いはあるのだろうか

 そこを決定する物理的世界、その物理的世界が私を「何もなくなるんだ」というささやきの源なのである

 天国、浄土、天上、せめて、地獄に行けると幻想をつかめればいいのだが


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