カンラン
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2002年03月15日(金) 人ト人ヲ結ブ糸。

電話って,結構使いますか?


私は電話嫌い。
なんか居心地が悪くて。

沈黙してはいけないと
次の話題を考えていると,
今の話題が結局うわの空状態になってしまって,
そんでもって
いざ切り出そうとすると
相手の声と絶妙なタイミングでかぶってしまって,

「あっ,ごめん。何?」

「あ,いや,こっちこそごめん。いいよ。先言って。」

なぁーんてやってるうちに,

「ごめん。何言おうとしたか忘れた。」

で,結局,しぃぃぃーん・・・てなってしまう。


どこで電話を切るかっていうのも神経すり減らす。
みんなどうやって話を締めくくるんだろう。
疑問です。
一旦「そろそろ時間かも。」と思ってしまうと,
どきどきしてしまいます。
「さようなら。」って言われるのを待っているようでいて,
反対に,
「さようなら。」って言わせたくないから
とにかく何でも喋ってやろうかな,と考えているような。



そして何より,電話って切った後さみしくないですか?
私は,さみしいです。
ほんとのこと言うと,
「下手に声聞くんじゃなかったよ。」と
その後さみしい雰囲気を
ずりずりずりずりひきづってしまい,
自分をはげます為に下手な鼻歌を歌ってみたりもします。


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それとこれとはちょっと違うかとも思いますが・・・

ちょうど今,読んでる本
中島らも氏の「愛をひっかけるための釘」の冒頭部分。


「人と出会いますと,それだけ哀しみが増しますから・・・」


という,とある漫画の中のせりふを取り上げて
出会いと別れついて書かれています。

そこにひかれて購入した本なのですが,
作者はそこで,

「それ(出会ったゆえに生まれる哀しみ)を避けるためにあえて孤独のほうを選ぶのは,
むしろ血の熱い人間の選ぶ生き方だとも思う。」

とも記しています。
分かるような分からないような。
けどちょっとがぁーん,ときました。
直感的に。

人にふれあうのは気持ちいい。
最初,ひんやりして。
そのうちお互いがじんわりと一緒にあたたかくなっていく。

けれど,一旦ふれあっていた人と離れる時には,
そのあたたかくなっていた部分が
今度はじんじんしてくる。
離れたあとには
思っていたより大きな穴がぽっかりあいてしまうのです。
まるで繋いでいた手が
そのまま相手と一緒に消えてしまったかのような感覚。

ふれあえて,ひとときを一緒に
大切に過ごせたからこその大きな喪失感。


うまく説明できないけど,すごく心に残ることば。


少々とろい私は,
ここのところずっとこのことばについて考えているわけです。


          



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