カンラン
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落ち葉。 この時期,きれいなのが落ちてます。
家から電停に抜ける小道, 職場の屋外通路を通るたび, ぱっと目に飛び込んできた一枚を拾う。
毎日じゃないけど,日に一枚。 飛び込んできた日だけです。
不勉強な私はその植物の名前を知らないけれど, 枝から離した手は ぷくっといかにも生き物らしいやさしいふくらみをみせたままで, 赤く燃えた葉っぱの表面にはところどころ 燃えきれない緑色が点々と残っている。
生きているものの不完全さにひかれます。
真っ白いからだこそが美しいとされる 翔ちゃんの背中の真っ黒くて大きなぶち。
花になりきれなかったチューリップの花びら。
ふちのぎざぎざがとれたハイビスカスの葉っぱ。
「きれい」の判断基準は完全を目指す人間がつくったものであって それこそまさにいい加減なものじゃないかと思う。
私は好きなものは好きだと言っていこう。
好きなものを好きだと感じる気持ちをなくさないどこう。
ところで, 燃えきらない緑は周りにあわせて燃えたいと願ったんだろうか。
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