カンラン
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2002年04月13日(土) わかること,わからないこと。

とある人に,
「君はおもしろいことを言うね。」と言われた。


特におもしろいことを言ってたわけでもないんだけど,
あれは何の話をしていた時のことだっけ。


どんな子供だった?っていう話だったかな。


私はとにかく物覚えの悪い子供だった。

校歌は歌えない,

漢数字の「四」を覚えられない,
(一,二,三は棒を一本ずつ増やしていけばいいから好きでした。)

大きな数字になると数えられない,

などなど。


その流れで,時計が読めなかった,っていう話をしたんだと思う。
デジタルじゃない針の時計。
短い方の針は読める。
針の先っぽに数字が書いてあれば。


けれど問題は長い針の方。

針の先っぽに書いてある数字を読んでも
先生は「違います。」って言う。

立たされたまま,何度も何度も
「もう一回考えてごらん。」って。
やさしい言い方だけど,
ひとりだけずっと立たされて,正しい答えを求められるのは
とてもつらい。


長い針が1のところだと,「5分」。

長い針が2のところだと,「10分」。

長い針が3のところだと,「15分」。

という風に覚えていかなきゃならない。


なんで「1」のところが「5」なんだ,とか
じゃあなぜ最初から「5」とか「10」とか書いといてくれないんだ,とか,
ぽこぽこぽこぽこわからないことが浮かんで,
そのたびにどんどんどんどんわからなくなる。
なんで「12」が「60」なの?って。


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人間のつくった人間が生活する上での決まりごと。

たとえば,

60秒が1分。

60分が1時間。

24時間が1日。

7日が1週間。

とかそういうの。

なかなかうまくできてると思う。
今のところ支障ないし。
ちゃんと太陽は昇るし,夜はやってくるし,四季は訪れる。


けど,これって「正解」なのかなぁ?
「正解」っていうのはあるのかなぁ?


なんとなくだけど,
人間にはわからないことがあるし,
その不完全さゆえに「生きもの」の一員として
存在させてもらってるような気がする。

なんだかよくわからない,
宇宙の秘密だの何だのっていうのとか
全部理解できた暁にはもう人間じゃないような気がする。

無駄とかなくて何でもかんでもスムースに
まるでベルトコンベアにのってるように
すーすーすーすーただひたすらに進んでいく。
朝とか夜とか春とか冬とか
もう全然関係なくて。


ふと思うのは,
たとえば道ばたにまるくなってる石。
そんな存在こそがすべてを知ってるんじゃないかな,って。

どっかの偉い学者が新しい理論を発見したとして,
「世紀の大発見!」なんて世の中を騒がせたとしても,

「人間もなかなかいいとこついとるね。」とか
「あー。その考え方は君らの暮らしには有効かもね。」とか
そんな風に思ってたりするかも知れないなぁと。


小さな子を見守る親のように,
ほほえましく眺めてるのかな。






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