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2004年11月03日(水) |
チェルニー30番の前に… |
ピアノを習って、チェルニー30番に入るまで…というのは、ある意味で、一番難しい段階という事ができると思います。 チェルニー嫌いは、ピアノ学習者には珍しくはありませんが、しかし、テクニック的なことを避けて通ると、結果的に遠回りをすることになるのは、指導する側は良く知っていますから、何とかしてチェルニー的なものへの筋道もつけたい…と、頭を悩ませるわけです。
チェルニー30番をやらなくてもいい、そこまでの進度を望まない…という場合でも、今、取組んでいる曲のテクニック的な苦労を最小限のものにしたい、とか、発表会などで少し大きな曲を人前で格好よく弾きたい…という場合には、やはり、普段のレッスンでどのようにテクニックの勉強をするかが問題になってきます。
少し前に、学研から出た、『新編こどものチェルニー』全3巻(井内澄子編)は、こういった、悩みや問題に、1つの答えを示してくれるように思います。 このテキストの特徴は、今まで、チェルニー30番に入る前によく使われていたチェルニーの曲集、100番、110番、リトルピアニスト、第1過程練習曲など…から、使いやすいもの、勉強になるものを抜粋し、学習しやすい順序で並べてある点にあります。 しかも、抜粋編纂しているのは、ピアニストで、その昔NHKの『ピアノのおけいこ』で指導なさっていた井内澄子先生。 選曲も、並べ方も、実際のレッスンを進めていくのに、無理がない上に、編集することによって、本編にはなかった教育的な意図も生まれていて、子どもが自然に、音楽的な理解も深めることができるます。 1曲ごとに、イメージをふくらませやすい題名もついているので、他の曲集と同じように取組めると思います。 3冊に分かれているので、1冊が終わるのに時間がかかりすぎることもありませんし、可愛らしいイラストもあって、楽しく練習できるでしょう。
楽譜を読んで両手で弾く…という、導入の段階から、テクニック的なことをクリアして、楽曲を音楽的に弾けるようになるための架け橋として、様々な使い方ができます。 編纂なさった、井内先生の、お子さんたちにピアノを楽しくしっかり上達して欲しい…という気持ちが伝わってくる気がします。
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