lucky seventh
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2004年08月29日(日) 信じることのむずかしさ

だって、否定するのに疲れちゃったんだもん。

















*信じることのむずかしさ*












「だって、否定することに疲れちゃったんだもん。」

ボロボロのヨレヨレになって、アイツはくしゃりと笑った。
信頼して、志を同じくした仲間に殴られたアイツの顔に浮かぶ表情は、
真っ白な紙をぐしゃぐしゃに丸めたようなそんな笑いだった。


「違うって俺は言ったよ…だけど、誰も信じてくれなかった。」

そう言って笑うアイツはまるで、
ぐしゃぐしゃにし過ぎて擦り切れそうな紙のように
今にも破けてしまいそうだった。
すべてが公なになるのが遅すぎた。


「だから、…もういいよ…」

その知らせを聞いた時、誰1人として疑わなかった。
アイツのきらきらした瞳が、急に濁ったように見えてきた。
欺かれたんだと、
嵌められたんだと、
アイツは何も変わっていなかったのに、信じることができなかった。

弱々しく、違うと言ったアイツ
それを汚らわしいものでも見るかのように否定した。
否定して、違わないとそう言った。
その瞬間、アイツはすべてを諦めた。
観念したのかと、笑うとアイツは瞳を閉じたて笑いやがった。


「そうだね。」


それがアイツの最後の言葉だった。
アイツにとってココが最後の居場所だった。
居場所を失ったアイツには、
もうどこも行くあてがないことを知っていたのに、

明くる日、アイツは眠るように死んでいた。
その表情はいつも笑っていたアイツには珍しく、
何の表情も浮かんではいなかった。






信じることは、なんて難しいのだろう。
信じる続けることは、なんて難しいのだろう。



アイツが死んで、それを知った。
だけど、すべては遅すぎた。


ナナナ

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