
人物紹介 ☆ 「翼」−私。苦手なモノ → 恋愛 ☆
「T君」−友達のダンナの親友。 1歳年上。 私の事が好き?みたいです。 ☆
「H君」−出向先の人。元カレ。 6歳年下。 すごく好きだったけど、フラれた。 ☆
「 I さん」−同じ会社の元上司。 3歳年下。 好きだった人 ☆
「Nさん」−元元彼。 6歳年上。交際2年9ヶ月。 憎まれてます ☆
「Aさん」−10歳年上。 既婚者子持ち。 昔々の好きな人。 ☆
「あの人」−元元々彼。2歳年上。 1ヶ月でバッサリふられました。 私の通っていた大学の職員。 ☆
あなたには届かない
翼
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2003年03月16日(日) ■ |
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卒業〜「彼女」との事 |
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私は教授の研究室をノックした。 中からは他の卒業生たちも来てるらしく、声が聞こえた。 そして、その扉を開けてくれたのは…、 「後輩」の「元カノ」だった…。
目が合って、一瞬、私達の動きは止まった。 だけど、すぐに彼女は気を取り直したらしく、
「こんにちは。」 そう言って、笑った。
情けないことに私は、まだ頭が真っ白だった。
「ありがとう。」
私は、それだけ言うのがやっとで、逃げるように研究室の中に入った。
教授が、私を見つけて微笑んだ。
「卒業、おめでとう。わざわざ来てくれたのか。ありがとう。」
研究室の中には、その教授のゼミ生たちが何人か集まっていた。 そのゼミ生の中には知ってる学生もいたので、 私はその人たちと教授と、少し話をした。
彼女は、ゼミの先輩たちを見送りに来ていたのだろう。
私は、居たたまれなくて、「もう少しゆっくりしていけばいいじゃないか。」 と言う教授の言葉に、「他にも挨拶に行きますから。」と、 つとめてなんでもない風に言って、研究室を出た。 結局彼女とは、会話らしい会話はしなかった。 「後輩」に紹介されてから、何度か会った事があるのに、 話をしないほうが、本当は不自然なのに…。
研究室を出た後、私は猛烈に後悔した。 どうして私は、彼女とちゃんと話をしなかったんだろう…。 これでは「H」との事と一緒だ。 後悔するくらいなら、話せばよかった。
彼女は、笑っていた。 私は、笑えなかった。 年下でも、彼女のほうがよっぽど大人だ。 最後くらい、ちゃんと…。言いたかった…、
「ゴメンネ。」
また、言えなかった。 そんな、簡単な言葉。
卒業だから、すべてが許される。 そんな風には思っていないけど、今日しかなかったのに、 彼女に、謝れる日は…。
涙が出てきた。 私は一人でトイレに行って、泣いた。 どうしてそんなに涙が出るのか、自分でも解らなかった。 でも、たぶんそれは、自分が“情けなすぎて”泣けたのかもしれない…。
もっと、早く大人になれればよかった。 もっと、上手に振る舞えればよかった。 もっと、人の気持を考えて行動すればよかった。
同じような後悔が、胸の中を渦巻いている。 この後悔は、一生消えない。
出逢い方が、「後輩」の「彼女」じゃなかったら、 本当に可愛い“後輩”として、仲良くなれたかもしれない…。
もうそんなのは、遅すぎる“言い訳”だけどね…。
いつまでも泣いてはいられない。 私は涙を拭いて、友達のいる所に戻った。
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