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人物紹介

「翼」−私。苦手なモノ → 恋愛

「T君」−友達のダンナの親友。
1歳年上。
私の事が好き?みたいです。

「H君」−出向先の人。元カレ。
6歳年下。
すごく好きだったけど、フラれた。

「 I さん」−同じ会社の元上司。
3歳年下。
好きだった人

「Nさん」−元元彼。
6歳年上。交際2年9ヶ月。
憎まれてます

「Aさん」−10歳年上。
既婚者子持ち。
昔々の好きな人。

「あの人」−元元々彼。2歳年上。
1ヶ月でバッサリふられました。
私の通っていた大学の職員。


あなたには届かない

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2003年03月16日(日)
卒業〜「彼女」との事

私は教授の研究室をノックした。
中からは他の卒業生たちも来てるらしく、声が聞こえた。
そして、その扉を開けてくれたのは…、
「後輩」の「元カノ」だった…。

目が合って、一瞬、私達の動きは止まった。
だけど、すぐに彼女は気を取り直したらしく、

「こんにちは。」
そう言って、笑った。

情けないことに私は、まだ頭が真っ白だった。

「ありがとう。」

私は、それだけ言うのがやっとで、逃げるように研究室の中に入った。

教授が、私を見つけて微笑んだ。

「卒業、おめでとう。わざわざ来てくれたのか。ありがとう。」

研究室の中には、その教授のゼミ生たちが何人か集まっていた。
そのゼミ生の中には知ってる学生もいたので、
私はその人たちと教授と、少し話をした。

彼女は、ゼミの先輩たちを見送りに来ていたのだろう。

私は、居たたまれなくて、「もう少しゆっくりしていけばいいじゃないか。」
と言う教授の言葉に、「他にも挨拶に行きますから。」と、
つとめてなんでもない風に言って、研究室を出た。
結局彼女とは、会話らしい会話はしなかった。
「後輩」に紹介されてから、何度か会った事があるのに、
話をしないほうが、本当は不自然なのに…。

研究室を出た後、私は猛烈に後悔した。
どうして私は、彼女とちゃんと話をしなかったんだろう…。
これでは「H」との事と一緒だ。
後悔するくらいなら、話せばよかった。

彼女は、笑っていた。
私は、笑えなかった。
年下でも、彼女のほうがよっぽど大人だ。
最後くらい、ちゃんと…。言いたかった…、

「ゴメンネ。」

また、言えなかった。
そんな、簡単な言葉。

卒業だから、すべてが許される。
そんな風には思っていないけど、今日しかなかったのに、
彼女に、謝れる日は…。

涙が出てきた。
私は一人でトイレに行って、泣いた。
どうしてそんなに涙が出るのか、自分でも解らなかった。
でも、たぶんそれは、自分が“情けなすぎて”泣けたのかもしれない…。

もっと、早く大人になれればよかった。
もっと、上手に振る舞えればよかった。
もっと、人の気持を考えて行動すればよかった。

同じような後悔が、胸の中を渦巻いている。
この後悔は、一生消えない。





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出逢い方が、「後輩」の「彼女」じゃなかったら、
本当に可愛い“後輩”として、仲良くなれたかもしれない…。

もうそんなのは、遅すぎる“言い訳”だけどね…。

いつまでも泣いてはいられない。
私は涙を拭いて、友達のいる所に戻った。


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