入り口の石。 - 2004年01月03日(土) 新年早々 ちょっと戸惑っている。 「海辺のカフカ」的にいったならば 入り口の石が ひょんなことから閉じてしまった。 多分 その石が開いたのは あの時。 あるべき物事が あるべき様態に戻り 私を目とする低気圧の渦の中に引き寄せられて 迷惑を被っていたものごとを 吸引する風ももう止んでしまったみたいだ。 あたりは まるで穏やかだ。 磁石は磁力を失い それに引き寄せられていた砂鉄が 一斉にバサリと地面に落ちるみたいに 私は負の勢いを失って ゼロに戻った。 まったく馬鹿馬鹿しい。 こんなものに どんな価値があるというのだろう。 私は何に取り付かれていたのだろう。 情けない思いと 醒めた思いとが 私を置き去りにする。 だけど こんな下らないことでも 無くてはならない物事だったのだと思う。 回りくどい操作であれ ひとつ飛ばせば機械は動かないみたいに。 たぶん 必要なことだったのだとおもう。 今 私の周りに風はなく 無気味な程の静けさが取り巻いている。 完結された輪には 何かを失う出口もなければ 何かが入り込む余地もない。 そんなふうにして 入り口の石は閉じてしまった。 ...
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