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声。 - 2005年04月13日(水) 朝 雲一つない青空がビルとビルの隙間に覗く空一面に 広がっていたのだけれど 正午を過ぎた今頃には 今にも雨が降り出しそうな 不機嫌な曇り空に変わっていた。 晴れた空をカーテンの隙間から眺めていたら 何だか不思議な違和感を感じて 手にしていた抱き枕を ぎゅっと抱き締めた。 何かが違う周期で回転しているような そんな気分だった。 昨晩 言い争いをした。 それは どちらが悪いとも正しいともつかぬ内容で 結局明らかになったのは ただの「違い」だった。 そもそも そういうものの考え方をする人だとは ある時から 知ってはいたから 怒りや悲しさよりも 諦めと疲労を感じていた。 お腹の中で彼女が窮屈そうに伸びや屈伸を繰り返している。 最近 急激に成長しているのとは裏腹に 私のお腹は思うように膨らまないようで 時折 激しい抵抗のような力を中から感じていたりする。 ここにもひとり 私とは違う考え方をするだろう人間が いるのだと思うと複雑に感じる。 良識も 常識と同じく 均一ではなくて それを否定された時 私は私の中心軸をへし折られた気分になる。 一体私に 何を望んでいるのだろう。 ふと 周りをみまわすと だけどやっぱり 空虚な声だけが聞こえてきて実体がないモノがそこにあって 私はそれにすがりつこうとするけれど 握りしめた手のひらには やっぱり何も残っていなくて 結局 私は 此処に残っているように思う。 櫻は多分 いまから降り始めるだろう雨に 綺麗に流されてしまう。 トタン屋根の上で昼寝をしていた縞猫は 何処かに消えてしまった。 またひとつ 大切なものをなくしたような そんな気分。 ...
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