小説の構想やら更新予告やら短い話やら。
誤字脱字やら単語が中途半端に途中だとか色々あるけど気にしない。

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きみのそばに。
2003年05月25日(日)

「あくつ」


つぶやきは、そらにとけるしえんのように、きえた。








朝、なんでか早く目が覚めて。
いつもよりも体の調子は良くて。
いつもよりも気分が良くて。

だから。
朝早くから、新品の洋服を着込んで、始発電車にのった。
なんかもう、気持ちが良くて。
会いたいなぁ、と思った。
だから。
駅から走って。
走って。

きみのそばへと。



走って。








「何、なんで」


思考が今にも止まりそうで怖かった。
ぷっつりと。
糸がきれるみたいに。


なにもかも止まってしまいそうで怖かった。


たどりついた家は、まるで廃屋。
庭の草は荒れ放題、表札はもうなくて。
壊れた門。
壊れた家。
人の気配なんかなかった。


それはたしかに亜久津の家のはずなのに。


「……あくつ……?」








そこで目が覚めて。
泣いている自分に気付いて。
馬鹿みたいだってすこし笑って。
馬鹿だ、ばかだと自分を罵ったけれど。

涙が溢れてとまらなかった。



ゆめだ。
ゆめだ。
だいじょうぶ。
ゆめだから。


震える手で携帯をつかんで、亜久津の携帯にかけた。

そして聞こえた声に、ひどく安堵感を覚えて、俺は泣きじゃくりながら亜久津が好きだと言った。

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なんつーか……うーん…。




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