2002年05月12日(日)
すべてのジャンルに挑戦する日記。
まだ始まらない。
昨日のも今日のも、「日常/生活」日記では残念ながらない。
なぜか。
思いついただけでかなり満足している部分があるからだ。
でないにしても、いろいろ事前調査が必要だし。
各ジャンルの傾向とか対策とか。
あと、そもそも「同人」とはなにかとか。
というわけで、母の日にちなんだことを今日は書こう。
お懐古さまであるぼくは、「風雲録」で描かれるあの時代に
しばしば戻りたいと思いながらここまで来た。
最も濃密な時間が流れていた時代だったからだとかいろいろある理由のひとつに、
数年前から新たにひとつが加わった。
なによりもあの時代、母は元気でそこにいた。
ぼくは小4のときから、「ガロ」を取っていた。
リアルタイムで「カムイ伝」を読んでいた早熟な少年だった。
が、それはぼくの意志のようでいて、実は母の希望だったのかもしれない。
母はまた、サンタナやマウンテンなどのロックが好きだった。
ぼくが家を出て以降も、顔を合わせる機会があると、
たまにはあの頃の曲が聴きたいねぇなどと言ったものだった。
母はずいぶんな読書家でもあった。
読むものがなくなると、そちらで読み古した本を送ってくれとよく言ってきた。
こうして母子そろって同じ本を読み、後日、電話で感想を述べ合う。
そんな時間がぼくも母も好きだった。
病床で背中が痒いと訴える母の、すっかり肉の落ちた背中を掻いてやりながら
「誰に掻いてもらってるかわかるか」と訊くと、
やっとの思いでこれだけ言った。
「おにい、ちゃん」。
それが最後の会話になった。
おにいちゃんて誰やねん。
ワシは若乃花か。
ぼくはときどき猛烈にあの頃に帰りたくなる。
今あるすべてを投げ捨てても戻りたいと思うときがある。
そこでは濃密な時間が流れ、ぼくもロックもこの国も幸せだった。
そしてなにより、母が元気でそこにいた。
おとうさん、おかあさんを大切にしような。