FILL-MIND [フィルマインド]心情記 

   
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2002年09月09日(月)  ■時候記:母の納骨■

昨日、母の納骨を終えました。
親族というものに始めてまともに触れ、思いに胸が詰まります。

父にも母にも沢山の兄弟がおり。子供の頃、正月には祖母や叔母の家に出掛け、集まる親戚の多さにお年玉の数を喜んだものです。

大人になって、そんな集まりにも顔を出さなくなって、今ではほとんど慶弔時にしか会わなくなった人たち。

胸が切なくなりました。

皆一様に年をとって、老けた叔父や叔母。昔の記憶がよみがえり涙腺はゆるむ。
当たり前のように出掛けて、当たり前のように小遣いをもらい、当たり前のように優しかった人たち。
母が倒れてからこの数年、本当によくしてくれて。いつも足早に駆けつけてくれました。

血に受け継ぐものって何だろう。

都会に暮らし、一人で生活をし、好きに毎日を過ごしてる自分。
今後、いつ子供を生むかもわからない。生まないかもしれない。

そんな自分がとてつもない無責任に思えて、苦しくなった。

私にはもう、あんな大家族で集まるお正月を過ごすことはないかもしれません。これからどこに嫁ぐかも知れず、この血筋で繋がっていく同じ関わりは、もう二度とくり返さない。

涙がこぼれ落ちる。

理不尽とさえ思うのに。継承にむせび胸は痛む。

あと何年、側で笑っていられるのだろうか。刻む時がリアルに迫る。手を合わせて拝む父の姿。

受けた恩恵を、伝えていかなければならない。伝えたいと願う。
それが、血というものなのだと、思えた。

ただ、ただ、当たり前に生きていたい。
蝉の泣く森を仰いで、墓地の丘に祈りを捧げて。

残暑に蒸せる暑い初秋。思い深く。感傷が痛かった。


 
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