華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2002年07月14日(日)

浪速の聖母の安息日。 〜落涙〜

<前号より続く>


「やっぱり気持ちいいの?」
 「うん、そりゃな・・・旦那より数倍良いわ」

「どれくらいしてるの?」
 「最近は、毎晩かな・・・・・」

「今晩は?」
 「・・・・・・まだ」

「ねぇ、使ってみようか、今から・・・・」
 「えぇ?!今から?・・・・・・それは堪忍してぇな」

「どうして?」
 「・・・・・・恥ずかし過ぎるやん、堪忍して・・・」


チエミは拒絶する。
俺は声のトーンを落とし、雰囲気を高める作戦に出る。


「どんなこと考えながら、一人でするの?」
 「ん、・・・・・・男の人に抱かれているところ・・・かな・・・」

「そっかぁ、どんな体位でするのが好き?」
 「あのな・・・・・・バック・・・」

「いやらしい格好でするんだな・・・・・想像しちゃった」
 「あ、いや・・・・・・あかんて・・・」

「耳は感じやすいの?」
 「どうやろ・・・あ、いや・・・・・」


俺は受話器にkissの音を立てる。
チエミは可愛い声を漏らす。

「耳も弱いんだね・・・・」
 「・・・・・・はぁっ」

「でも、もうチエミはこんなに熱くなってるやんか」
 「う、うん・・・・・・はぁっ」

「今、すごく触って欲しいでしょう?」
 「・・・・・・なぁ、もう触ってんで、私」

「もう自分で触ってるんだ・・・・・・どこから触ってるの?」
 「アソコ・・・下着の上から・・・・」

「舐められたい?」
 「あ、あかん・・・・・我慢できんようになるから・・・・・あん」

チエミは妄想の世界に、深く沈んでいく。


「持っておいでよ、チエミのバイブを」
 「えぇ、嘘ぉ、あかん言うてるやんかぁ・・・・・意地悪ぅ」

「気持ちよくなりたくないんだ・・・・電話切っちゃうよ」
 「待って・・・・・持ってくるから、待っとってな」


しばらく無音になる。
その後、ゴソゴソ音を立てて、チエミが戻ってきた。


「持ってきた?」
 「うん、持ってきた・・・・・・」

「音を聞かせて欲しいな」
 「・・・・・・ちょっと待っとって」


受話器からグィングィンと重いモーター音がする。
電気シェーバーや電動はブラシではない、うねる音だ。

「じゃスイッチを止めて・・・・どんな服を着てるの?」
 「Tシャツに、スカート・・・・」

「じゃあね、スカートの中だけ脱いで・・・・」
 「・・・・・・脱いだ」

「そのまま腿を開くよ・・・・・・もっと大きく」
 「あかん、恥ずかしい・・・・・」

「もっと開いて・・・・・・奥まで開いてみるよ」
 「嫌やぁ・・・・か、堪忍してぇ」

「クリ触ってみようか」

チエミはここまで来ると、俺の言葉に従順だ。
自信無さ気でか弱い声とはうって変わり、淫靡で妖艶な声を漏らす。

俺も燃えてきた。


「次どうしようか?」
 「あのな、あのな・・・・・・入れて欲しい」

「どこに?何を?」
 「意地悪・・・堪忍して・・・」

「言えないんなら、このまま電話切っちゃうよ」
 「あ、あかん・・・言うから・・・」

「どこ?」
 「・・・・・・・」

「聞こえないよ、もっと大きな声で!」
 「・・・・・・・オ○○ッ」

関西では、女性器の名称は3文字。
チエミは口にした直後からさらに一段と喘ぐ。
卑猥な言葉を自ら口にさせられたことで、
さらに興奮しているのだろう。

 「なぁ、早ぅ来て、入れてぇな!」
「じゃ、先程のバイブの先を入れてみな」

 「うん、うん・・・・」
「入れたか?奥に当たるところまで入れて」

 「・・・・・入った」
「じゃ、奥に当てるようにしっかり持って、スイッチ入れるよ」

 「ハイ、こう・・・・・う、あっあああああああっ!」


堪え切れず、震える声が漏れる。
間もなく、チエミはエクスタシーに達した。 


しばらく真っ白になっているのか、
深呼吸する音が聞こえるだけで、俺からの問いかけには答えない。
時折、鼻をすすっている、

「もしもし・・・・・・大丈夫か?」
 「・・・・・・ん」

「どうだった?電話でしてみて」
 「電話でも、イケるんやなぁ・・・・・・」

「可愛い声やったよ」
 「そんなん、恥ずかしいから言わんとって・・・・」


それから俺とチエミは随分仲良くなった。
話す回数が増えるたびに、話題も増え楽しい時間を過ごす。
テレフォンSexも回数を重ねるうちに、チエミも感度が高まっていく。
そして積極的になっていく。

しかし、旦那と子どもの話題だけは触れる事は無かった。


その後、子どもは寝た?と聞くのが俺とチエミの挨拶代わりになっていた。

子どもの声というのは、折角の大人の時間を台無しにする。
女性が『女』でありたい時間でも、『母』に戻らざるを得ない。

『母』に戻ってしまうと、今度は『女』に戻ることもままならない。


遅い時間なら大抵は子どもも寝ているので、安心して話が出来る。

「こんばんは、子どもは寝た?」
 「うん、もうぐっすりと寝てはるわ」


二人の時間を満喫していると、突然の嬌声。
先日と同じ、子どもの泣き喚く声だ。
それも先日よりも激しい。


 「もう、こんな時に・・・ちょっと待っててね」

俺が返事する間もなく、チエミは電話を置いて子どものところへ向かう。


 「ごめんな、変な夢でも見たんかも知れん」

「ねぇ、聞いてもいい?」
 「何?」

「子どもの事、なぜそんなに話したくないの?」
 「・・・・・・」

「俺、子ども好きだからさ、いろいろ話が聞きたいんだ」
 「・・・・・・」

「・・・どうしたの?」
 「・・・・・・」


チエミは泣いていた。
一体何があったのか。俺には考えもつかない。

「チエミ、大丈夫か?」
 「・・・・・・話したら、もう電話でけへんかも知れん」

「え?何があったんだ?」


チエミは流れる涙を抑えるのに、しばらく時間を要した。
子どもの話で泣く女というのも初めてだ。

ようやく落ち着いたチエミは、覚悟を決めて話してくれた。


<以下次号>







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