ミドルエイジのビジネスマン
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2009年12月13日(日) |
資本主義はなぜ自壊したのか(中谷巌) |
この本が出たのは、ちょうど1年前の12月だ。当時、懺悔の書などと言われていたので、懺悔をしても職を失う訳でもなく、却って本が売れて金持ちになるような人の本など、読む気もしなかった。この本が発売されて評判になった頃のテレビ番組で、著者が大学のテキストに使っていたら、若者が鼻白んでいるシーンがあった。前途有為の若者にミゼラブルな話をしてもかわいそうと言うものだ。今回は、アマゾンで本を探していたら、頼んでもいないのに推薦されたので、図書館に注文して読むことになった。
301ページに主要先進国の貧困率比較という表が載っている。この表を見るだけでも価値があると思った。1985年から2005年の20年間の間に、日本の貧困率はなんと12.5%から26.9%へと2倍以上になっている。実はヨーロッパ諸国も2005年では同じような比率なのだが、課税や生活保護など手当てをした後の再配分後という数値を見ると、欧州では軒並み一桁になるのに対し、日本は14.9%でアメリカの17.1%に次いで貧困者の多い国ということになる。
一億総中流という言葉は、このように中流階層が下層に転落する形を受けて死語となった。今見ている日本の社会は、20年前とは全く違ったものになってしまったということだ。
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