2002年10月05日(土)
北朝鮮に拉致された被害者たちは、肉親には会いたがっているけど、 日本へ帰国する事に対しては、消極的だという。 日本では「それは、北朝鮮によって言わされているんだ。帰国したいに決まっている」との意見が圧倒的だ。
北朝鮮に言わされている・・・というより、 長年、北朝鮮で生きているうちに、洗脳させられたのだろう。 それに、北朝鮮で生きていくためには、そうせざるを得なかったのだろう。
ただ、彼らにとって「肉親に会いたい=日本へ帰りたい」というわけでは、ないのではないか? 「日本へ帰国したいに決まっている」というのは、待っている方の心理のように思う。(そう考えて当然なのだが・・・)
自分たちが望んでいない、ある日突然、拉致された 彼らたちにも、今現在既に北朝鮮での生活がある。 日本に帰国しても生きていく事(生活する事)をやめるわけにはいかない。 これからの一生を、何もせずに生きていくわけにはいかない。 全く生活習慣の違うところへ帰ってきて、仕事を探して、順応しなくてはならないのである。 その事に不安を抱き、躊躇する気持ちがあるのではないだろうか?
彼らにとって、過ぎ去った長すぎる年月の間に、日本は祖国でありながら、違う国になってしまったのではないか?
奪われてしまった時間は残酷である。
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