ニッキ ゆり 【HOME】
- 2003年11月13日(木)
スタジオで1時間ピアノの練習。
思う存分、大音量で弾いてきました。
気分はすっかりよくなって、少し遠回りして帰宅。
月が下の方にあって、オレンジ色をしていて、綺麗だった。
透き通るような色を信号待ちの間ずっと眺めた。
何かいいことがあるかな。
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ピアノは幼稚園の時から小学5年生までずっと習ってた。
6年生になった時、受験のためにやむなく辞めることになってしまった。
受験なんてしたくなかったし、ピアノも辞めたくなかった。
合間を見てピアノは弾き続けた。
中学生になっても、時間は減っても弾き続けた。
物置になっても、埃をかぶってても、それでも弾き続けた。
大好きなピアノだった。集中できて、感情を込められる時間。
そして、嫌なことを忘れられる唯一のものだった。
指先が奏でる音楽に自分で浸った。
もっともっと弾きたい。でも、ピアノを辞めてレッスンを受けられなくなって
どんどん忘れていって、どんどん弾けなくなって、どんどん悔しくなって。
それでも弾き続けた。
中学2年の時、引っ越すことになって
ワタシは当然ピアノを持っていけると思っていた。
でも、新しい家には防音設備をつけなくてはいけなかったり
置く場所を新たに考えなくてはいけなかったりした。
「ワタシの部屋に置く。狭くなってもいいから。」何度も言ったけど
あの時のワタシはあまり強く思いを伝える事が出来なかったから
「ね、やめよう。もう弾かないでしょ。」と言われて頷くしか出来なかった。
ピアノがなくなって、ワタシはキーボードを買ってもらった。
軽い鍵盤。少し触っただけで音が出てしまう。弾いてる気がしない。
そして、何よりも、鍵盤数が足りない。
物足りなくて、結局キーボードは押入れの中にしまってしまった。
ピアノを辞めてから10年。
ワタシはまたピアノを弾き始めた。
10年と言うブランクは思っていた以上に大きくて
何も弾けない自分に愕然とした。
だけど、レッスンを続けていくうちにだんだん弾けるようになって
だんだん体が思い出してくれて、最後の発表会で弾いた曲を
とても綺麗に弾くことが出来るようになった。
でも、発表会で弾いた曲は何度も何度も何度も練習して暗譜した曲だったから
体が、指先が覚えていて弾けたんだと思った。
優しい曲はやっぱり上手く弾けなくて、まだあの時と同じ様に弾くことは出来ないでいる。
あの時押入れに仕舞いこんだキーボードで、物足りないけど練習をしている。
レッスンに行けばピアノで弾けるから、我慢をする。
近くにリハーサルスタジオがあって、安く借りられることがわかって
週に1度、レッスンの前の日には行こうと思う。
スタジオで思う存分弾いて、指の感覚をこれから戻していこう。
そして、あの時憧れだった曲を弾けるように頑張ろう。