橋本裕の日記
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2007年12月13日(木) 久しぶりの同窓会

 毎年、今ごろの季節になると、中学の同窓会の知らせがとどく。正月の3日の夜にあるその同窓会に私はこの20年間、一度も出席したことがない。その最大の理由は、経済的な問題だった。福井に帰省し、弟の4人の息子たちにお年玉をやると、もう私の財布の中は空っぽである。大枚1万円を投じる余裕はない。

しかし今年は、その通知を手にして、しばらく考え込んだ。この5月から小遣いが大幅にアップしたので、経済的な問題をクリアできるかもしれないと考えたからだ。通知をくれた世話人がいつになく女性の名前になっていたことも心を惹かれた。うっすらとその顔が浮かぶ。お下げ髪の中学生の少女の顔である。

そのあくる日に、今度は高校の同窓会の通知が届いた。これはこの20年間なかったことである。しかもその世話人がT君だった。T君とは小学校、中学校が同じである。そして仲良く県立高校の受験に失敗して、高校も同じになった。

とくに親しかったわけではない。しかし、彼の家に行ったこともあるし、彼が私の家に遊びにきたこともある。彼は性格が穏やかな上、色が白く、どこか愛くるしいところのあった美少年だった。実のところ、私は彼が好きだった。ちょっぴり同性愛的な感情もあった。

T君から届いた同窓会のお知らせは、なんと手書きである。それがまたとても丁寧に整った、愛情のこもったやさしい字体なのだ。T君は40枚もこの手書きの通知を書いたのだろうか。パソコンで手軽に文章を書き、印刷できるこの時代に、住所から案内文まですべて手書きというのは珍しい。

 T君のほかにも会ってみたい顔がいくつも浮かんだ。紅顔の少年もいつかみんないいおじさんだろう。積もる話もある。冬休み中なので青春18切符が使える。泊まるところは実家がある。そう考えていると、これにも出席したくなった。

 年末には、ユネスコやペシャワールの会へ献金をしている。財政が苦しくても、年末の献金だけはこの十数年間欠かさなかった。今年から献金の額も増やす計画だったが、同窓会が重なると増額はむりかもしれない。世界の人たちへの支援もいいが、かっての級友たちとの再会も楽しみである。

(今日の一首)

 なつかしき便りが届く同窓会
 紅顔の少年もいまや五十路か


橋本裕 |MAILHomePage

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