橋本裕の日記
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2007年12月21日(金) 11月の短歌

 毎月、月末にその月の短歌をまとめて掲載していたが、11月分はうっかりしていた。そこで、今日、遅まきながらここに掲載しよう。1月から毎日詠んだ「今日の一首」も、もうすぐまる1年になる。いつか歳月を経て読み返してみると、なつかしいのではないだろうか。

山里を彩る紅葉の木漏れ日に恍惚として極楽浄土

歳をへて心ようやく落ち着いて風の音まで美しきかな
 
稲架ちかくかおりただようさわやかに鳶も悠々秋晴れの空

ありがたき仏縁ありてみ仏を心に抱けば風もさわやか

ときとして道に迷い物忘れ算数できぬが思索はたのし

新米をうましうましと平らげる妻は午年我は寅年

人生は浮き沈みあり波乗りと思えばこれもたのしみのうち 

政治家は二世三世あたりまえこれでよいのか我らの暮らし

幼子の我を見つめて笑ひたるなにやら楽し秋の一日

あたたかき風呂につかればしあわせが羽衣のごと我が身を包む

何ごともしくみを知れば面白し学ぶたのしみ尽きることなし

目に見えぬ原子分子が見えてくる世界を変える科学の心

さだかには目に見えねども風吹けばこれも分子の体当たりかな

あらふしぎコップの水がこぼれない空気の圧力手品師のごと

目に見えぬ水の分子のいたずらか顕微鏡下の微粒子踊る

原子まで写真でみえるこの不思議ウイルスたちも素顔を見せる

若き日の日光浴のかたみかな背中も肩もそばかすだらけ

愛犬と歩いた道の柿の木が色づきにけり今日も青空

散歩道ケリの家族を見つけたり苅田のなかで夫婦よりそふ

一日で真白になりし雪山に光あふれるさわやかな朝

甘柿をたらふく食べてしあわせをかみしめている妻とふたりで

木枯らしもはじめて吹いていつしかや日向ぼっこの恋しき季節

万葉の旅と称して年年に友とたのしむ古里の秋

古里の紅葉の山にいつしかや満月のぼり妻と見ている

いにしへの人も通いぬ山辺の道のもみじは美しきかな

秋の野をしみじみ歩く赤き実が日差しのなかでよろこびのうた

もずがなくしげみの上の青い空風もさわやか山辺の道 

すれちがう人の言葉もなつかしく国のまほろば大和しうるわし

サイエンス学べば解ける謎多しされども残るこころのふしぎ

(今日の一首)

朝ごとに短歌を詠んで目をとじる
このひとときはこころまろやか


橋本裕 |MAILHomePage

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