橋本裕の日記
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2008年01月23日(水) 在ることの奇跡

私は超常現象を信じていない。霊魂も奇跡も信じない。その理由を書こう。じつは、今私たちがこうして存在することそのものがすでに奇跡だと考えているからだ。

ウィトゲンシュタインが「如何にあるかが問題ではない。存在そのものが奇跡である」と書いていたが、私もそのとおりだと思っている。宇宙には無数の星がある。そして地上にはたくさんの生物が存在する。まずはこのことが不思議である。

そしてこれらの存在を認識し、存在そのものに驚嘆できる人間の脳がある。知性や愛情といった意識現象が存在することも、考えてみれば驚嘆すべきことのように思われてくる。

天に星
地に花
人には愛   (ゲーテ)

宗教を飯の種にしている宗教家や宗教学者が主張する神仏や霊魂の存在は信じないが、この精妙な世界を作り上げた造化の力に対しては畏敬を覚える。そして私はこうした奇跡に満ち溢れた世界に生かされていることに感謝している。

なにもののおはしますかは知らねども
かたじけなさに涙こぼるる      (西行)

私もまた神社に詣でたり、近くの川を散歩をしながら、この「造化の妙」を考える。そうすると、ますますこの世界が在ること、今ここに私が存在すること、そのことがすでに素晴らしい奇跡だと思えてくる。「ありがたい」と手を合わせたくなる。


橋本裕 |MAILHomePage

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