オミズの花道
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『復讐するは我にあり』
2002年11月15日(金)



先日からちょっと問題があった。
ホステスに良くありがちな口座の問題である。

私のお客様の連れであったお客様が、(つまり枝のお客様)ヘルプに付いた女の子を気に入ってくれて、私の居ない日に来店したのだ。

そこまではいいのだが、何とそのお客様、口座を私ではなくその子にしろとほざいてたらしい。
次の日に出勤した時、黒服がそう言っていた。

いや、いいんだけど、システムで無理なんだよね〜。
個人的には面倒くさいから、お互いがそうしたいならそうすればいいんだが。
(ボトルさえメインのお客様とキッチリ分けて戴くならどうでもいい。)


だけどこういうお店の原則として、口座を店の女の子から女の子へ変えるのはご法度なんである。
店客を女の子の口座に変えるのは割と簡単なんだけどね。
(そりゃそうだよな。店はその方が確実に金になるんだから。)

『口座持ち』とは文字通り銀行口座のような意味を持つことであって、客が現金やカードで支払わない場合(要するに『付け』なんだが)、それを自分の責任で請求し回収するシステムの事だ。

当然未収も出てくるのだが、現金は無情にも期日キッチリに、ホステスの給料から店側に引き落とされてしまう。
つまり『この客の支払いはアタクチが責任持ちますよ。』ってヤツでんな。


そんな支払いや売り上げのトラブルを避けるため、窓口はひとつ。
クリアにするために方法はひとつ。
枝葉であろうが何であろうがスタートが私なら、口座も売り上げも最後まで私なのだ。
それが店側にもホステスにも余計なトラブルが無くていい。


この辺りがクラブの難しい所なんだな。
枝葉に関しちゃややこしいんだよね。

反面年喰ったババァでも勤められる理由はそこ。
いやいや。上手いこと成り立ってますね。



話が少し逸れたが。

黒服から口座がどうのこうのの話を聞いたとき『おや』とは思ったが放っておいた。
そういう折り合いの交渉は本人(この場合はヘルプさんね)がすべきだし、私が率先して店や女の子にとやかく言う事項でも無いからだ。


何ていうか・・・そりゃメインのお客様に手を付けたら私だって黙ってはいない。
って言うか私のお客様を取れるホステスが居たら拍手喝采しちゃうね。見習っちゃう。

だけど今回は所詮枝葉だし。選ぶのはお客様の勝手だし。いいんじゃないのと思ってしまう。
なんか『それ自体が甘い!!』と周りには叱られたのだが。


まあ、でも考えてみると。
勿論その子にも厳しいノルマはあるから、必死は必死だろうが、そんな危ない橋を渡るのは、普通皆避けるものだ。

口座のお姉さんには嫌われ、
中途半端な実力なら、店にはトラブルメーカーとして扱われ、
口座の餌をカサに、お客様の口説き攻撃を喰らうのである。

嫌だろう、そんなの。


そういう訳で放っておいた。
その方が懸命。



んで、昨日のこと。
その子が『なおさん、ちょっといいですか?』と聞いてきた。
ほうほう来たね。何かな。
『先日のYさんの事なんですけど・・・。』
『ああ、あれ?ごめんね〜私居なくて迷惑かけちゃったね〜。』
『お店のほうから聞いて戴いたと思うんですが・・・。』
『あ、うん。いいよ。口座でしょ?移して移して。(本気)』
『いえ、あの・・・。違うんです。私何だかYさんの事怒らせてしまったみたいで。』
『へっ!?』
『アフターにお付き合いしたんですけど・・・私は途中で帰ってしまって。』
『はあ。それで向こうは怒ってんの?』
『私も事情があって、どうしてもお付き合い出来なかったんです。』
彼女はしどろもどろで平謝り。


悪いけど笑ってしまった。
彼女はビックリしてたけど。

『ああ、なんだ。そういう事なんだ。いいよ、無理しないで。
 要するにオヤジ、振られたから怒ってるんでしょ?いいよ、放っておきな。』
『・・・・はあ。』
『あのね、私は女の子の方が大事だからね。気にしなくていいよ。
 メインの客とどうせまた一緒に来るでしょう。
 その時に知らぬ振りで接してあげてくれればいいから。』
『すいません、本当に。』


案の定である。話を総合するとオヤジってば、
「この子もさぞかしノルマがキツイのだろうな。助けてやったら良い事あるかも♪」
なんていう考えで黒服を呼びつけ、
私を口座から外せ、とエエ格好をカマした(つもり)らしい。




ナメやがったな。


こういう場合、私というホステスはオヤジにムカツクんである。
女の子にはムカつかない。何の得もない。ムカつくだけ恥ずかしい。


だってそうでしょう。
この場合私をコケに『しようと』して手を『下した』のはオヤジだからな。女の子じゃない。


よりによってオンナを口説く材料などと、しょ〜もない事に私を使いやがって。
そこまで軽い扱いをアテクシに仕掛けるとはいい度胸じゃねぇか。
さて、どういう風に料理してイテこましたろ、とマジで考えてしまう。


ちょっとだけ楽しいよな。
ううん。すっごく楽しい!


最終的には、あのオヤジが居る専門分野業界の面子とは飲めなくしてやる。
大人しくしてれば、とんでもない大物とも繋ぎを取ってやろうと思っていたのに。
けけけ。何千万惜しい事しましたね。


まあ・・・あんまり怒っても大人気ないから。
それくらいで堪忍してあげましょう。



優しいわ♪
私って♪

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