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■ 新橋の朝が来る。
新橋で夜を明かしたことは一度目ではなかったような気も しないでもない。 どこまでも「サラリーマン」、どこまでも焼き鳥屋風な気分で 朝を迎える、そのうら淋しさというか何というか。 とにかく地球がちょっとばかしまわってしまって、 どこかおいていかれたような、すこし遠くから見つめる世界。 空気の汚れる前の日曜日の明け方を、かかとを微妙に 引きずりながら歩く、その瞬間の世界の色合い。 東京に息づく気だるさ。
昔はよく、こうやって友だちと呑み明かしたなあ、という瞬間。
カラスがいて、朝帰りの人たちがいて、早起きな人たちがいて、 怪しげな女がいて、夕べの名残を残した吸殻が落ちていて。 そのアスファルト。
わたしはこの世界で生きてきて、アフリカにかかわってきて もうかれこれ六年になるのだということに気づく。 そういえばベッシーは、今のわたしの歳のときに亡命を したんだっけ。
わたしは六年間で、誰を愛して、誰と喧嘩して、誰と出会ったんだっけ。
もう一回夜がとっぷりと更けてきたので、大好きな山崎まさよしの やさしい声に包まれながら、知らない人たちに手紙を書いてみた。
2003年07月21日(月)
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