Makkie!の日記
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とてつもない衝撃が一瞬にして身を襲う。 その間、景色がスローモーションになった。 めりめりという音と共に視界の右側からボンネットが盛り上がる。 身体をシートに貼り付けようとしたが、宙を舞う。 「ベルト忘れてた」そう思った次の瞬間、 宙に舞った体が叩きつけられる。頭に鈍痛が走る。
「ヤバイ、生きたい!大丈夫、きっと助かる!」そう思いつづけながら、 車の回転が納まるまでじっと耐えた。目は開き、その様子を他人事のように観ていた。
・・・ほんの1,2秒のことだったかもしれない。 しかし、僕には10分程もあったかのように記憶されている。
友人の車の助手席に乗った、今日、深夜のことである。 コーナーリングに失敗した、そのロータリーのエンジンを覆うボディーは フロントオーバーハングがない無残な状態になっていた。 何かの液体が路面に散らばる。車内からは様々な警告音が鳴り響いている。
近くを通っていた所謂ヤンキーな若者が駆けつけてきた。 衝撃音がしたので来たというが、僕には金属の塑性変形の音しか記憶にない。 てんぱる友人と呆然とする僕を、その経験豊富な若者3人は優しく、そして機敏に 事故処理をする。単独なので警察に言う必要はないと若者は言う。
・・・・おいおい、俺の立場は?
気がつくと、額半分が膨れ上がる。流血はしてないようだが、内部での出血が激しいらしく、 立ってるのがやっとなくらい痛い。動くと気を失いそうなくらいだったが、友人を心配させては いけないと思い、平然を装う。
寒い、とても寒い夜だった。若者が僕のロードスターのある所まで送ってくれた。 ロードスターでRX7を牽引したが、バンパーとタイヤが擦れて、モウモウと煙をたてながら移動した。 僕は落ち着くまで、友人宅ですごした。
家に帰ったがヒドイ痛みでなかなか眠れない。 氷で冷やし、横になった。頭を打ってることもあり、寝たら起きることができないんじゃないかと思うと、 余計に眠れない。結局、眠れぬまま朝を迎えた。 (つづく)
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