詩のような 世界

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2001年06月26日(火) ・・・Who is he?


彼は片隅に立っていた

明るすぎる茶っこい髪の毛が揺れる

やけに彼のギターケースに目を引かれ

私はふと感じていた

彼に誰かを重ねていることを

誰だったかは思い出せないほど記憶は弱っている



中途半端に混雑した電車の中で

彼は窓の外を眺めていた

景色を見ているようで見ていなかった

彼の視線はもっともっと先を彷徨う

きっと幻影をみているんだと思い

私も想像してみた

同じように茶っこい髪をしていたアノ人



浮かばない 浮かばない 忘れたくなんかないのに



実はそんな人は存在していなかったんだろうか?

私が作り上げた架空の人物だったんだろうか?

そんなバカみたいなことを考えながら

目の前の彼を見てみる

アノ人は確かにいたんだと気づかされ

それでも胸がザワつかない自分に安堵した




あれから

もう何度目の夏が来るんだろう・・・








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