詩のような 世界
目次|←|→
僕は操られていたのかもしれない
貴方の指先にからまる糸が
妖しく光りながら僕を縛りつけ
僕の精神から自由と理性を奪い
先の見えない天国へと導いた
僕が近づけば貴方も近づき
僕が離れると貴方は笑みを浮かべる
僕はいつも貴方が大好きで
大好きという言葉も軽率に聞こえるほど大好きで
貴方はそれを知っていた
すぐそこに貴方は居て
僕が求める形で貴方は応じてくれた
だけど結局
あと少しで手が届くという場所から貴方は動かなくて
僕の我侭は行き場を無くして空しく彷徨いながら果てた
最後に貴方を見た時も
貴方は微笑んでいた
僕はもう近づくことも叫ぶことも表すこともせず
受け入れるしかなかった
「僕は貴方を失いました」
受け入れるしかなかった?
|