私の高校時代、日本史は昭和の最初のあたりで終わってしまった。 浪人して受験勉強を始めたとき、そのことを再び思って、 いったい何のために日本史の勉強をしたのだろう? と思った。
古代史や王朝文化のあたりまでは、まだロマンを感じておもしろかったが だんだんと過去の項目の羅列みたいに感じられて退屈になった。 それは世界史も同じだった。 退屈な羅列のまま、高校の歴史の授業は途中で終わってしまっていた。
教員になってから、あのころの自分以上に昭和史を知らない高校生が あまりにも多いことに気づいた(まだ昭和の時代だったころでも)。 特に戦時体制から民主国家に変貌する過程を知らない。 明治憲法下の世の中から今の世の中になった経過を知らない。 ほんの常識程度のことも知らない生徒があまりにも多い。。。
現代というものをよりよく理解するために歴史を学ぶのでは? 歴史学という観点ではどうか知らないが、 中・高生にほぼ強制的に学ばせるのはそのためではないのか? 昔はこうだったんだよ、のためだけに学ばせてるのかなぁ、、?
私は、受験勉強の時、まず明治以降を理解したいと思って、 関ヶ原の合戦のあたりからノート作りを始めたのだけれど、 高校の日本史の授業は次のような順にやってほしいと思っている。 1 太平洋戦争〜現代 2 開国〜太平洋戦争 3 武士の台頭〜幕末 4 古代〜武士の台頭
つまり、現代を中心にして逆戻りするわけにもいかないから、 ある程度区切って、時代を遡っていく。 下手すると平安時代まで行かないうちに授業終わるかもしれないけど、 大丈夫、そういう不安があるなら国語の教員が古典の時間にやります!
世界史だったら、やはり大戦から現代までをやって、 それから、啓蒙思想の時代あたりからかな? その後は、地域や国別の通史だとおもしろいかも。。 特に中東は通史でやってもらわないといけない。 そういう部分的通史をやりながら、 このころ○○国ではどんなことがありましたか? なんて、 復習させてみてもおもしろいだろうし。。。
20年ほど前からこんなことを社会科の教員に提案してきたのだが、 返事はいつも大体同じ。 それができればいいのだけど、模擬テストがその順でない。。
大学入試の参考資料に過ぎない模擬テストに 高校教育が牛耳られている、実に悲しい現実である。
それにしても、人間は世界内存在であるという認識の乏しい 社会科教員が多すぎる。
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