■人がなかなか信用しない。 人をおいそれとは信用できない。 人のことを信用してもらえない。
大きくなるにつれ、話していたことと違っていたり、 こちらが想像していたことと違って、期待を裏切られたり、 人の期待に応えようとがんばっても、できなかったりという経験を、 少しずつ積み重ねる。 自分なりに努力したことであっても、目標との比較、周りとの比較や 自分の満足する心との比較で、達成感が得られない。
小さいこどもの頃は、大人を信じている。 周りのものを無差別に、無意識に、無頓着に信じている。 すべてを投げだして、すべてのこころをよりかけて信じている。 かけねなしに信じている。
人はいつしか比べるようになる。 周りと、他人と、自分のこころと。
いくらやってもできないことはある。 試験前の一夜漬けのような、すてきな人にふり向いてもらえるような、 一本の宝くじがあたるような。
■無理をしない。 仕事はいくらやってもきりがない。 先んじてやればそのうち疲れてしまう。 うまくやれば、より多くを望まれる。 より多くを行えば、・・・。 でも、人の期待に応えようと、自分のこころを満足させようと、 いつも先んじ、うまく、より多くをやろうとする。
他人を評価するとき、必ず比較してしまう。 周りの人間、目標、そして自分と。 多くや先進を望むと同時に、自分を越えることへの抵抗を持つ。 そんな心の葛藤のなかで、人を評価してしまう。
人のがんばり、努力、勤勉、勇気や智慧は、そんな曇ったレンズで、 なかなか見えてこない。
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