ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2025年04月08日(火) 宙ぶらりん

最高気温が23℃まで上がりすっかり春の陽気となった。

桜の花の何と健気なことだろう。はらはらと散りながらも

樹全体が微笑んでいるように見える。

最後の最後までとその命を燃やしているのだろう。


一足早く咲いた郵便局の大島桜は葉桜になってしまったが

緑の葉が陽射しを浴びてきらきらと輝いている。

そうして清々しい風が吹けば心がとても癒されるのだった。

散ったからと嘆くことなど何ひとつありはしないのだ。



仕事は今日も今日とて停滞したまま一歩も前へ進めない。

死に物狂いのように田んぼに出掛ける義父をどうして阻止出来ようか。

とにかく何としても田植えまで漕ぎ着かせてやりたかった。

工場は厄介なクレーム修理が入庫しており同僚が頭を悩ませている。

義父の助けがあればと思うがそれどころではなかった。

今日もお昼前に一度帰宅したが昼食も食べずにまた出掛けて行く。

80歳を超えた高齢者とは思えないパワーが漲っている。


午後からの何と気怠いことだろう。すっかりやる気を失くしてしまう。

頑張ろうにも頑張ることが無いのである。苦痛としか云いようがない。

2時になりもう帰ろうと思い逃げ出すように帰路に就いていた。


気分転換を兼ねて春物の衣類を買おうと郊外の「フジグラン」に行ったが

明日直ぐに着られそうな衣類が見つからずがっくりと肩を落とす。

そのままサニーマートまで行くつもりだったがたまには違う店でと思い

フジグランの食品館で夕食の材料を買い求めた。

しかし何処に何が陳列されているのか分からず歩き回るばかり。

カートを押していたが足が痛み始めやっとの思いであった。

やはり慣れているサニーマートが良かったのだと悔やまれる。


3時半に帰宅。「今日はえらく早いなあ」と夫が驚いていた。

「もう嫌になったけん」愚痴を聞いてくれる夫には感謝しかない。

話してしまえばもうストレスも消え失せていた。


2階の自室でアイスコーヒーを飲みながら煙草を二本吸う。

窓から見える山桜は今朝と変わりなく何だかとてもほっとした。


4時からは「子連れ狼」である。すっかり日課になったようだ。

大五郎が「ありがと」とにっこり微笑む顔が好きでたまらない。

23年前の時代劇だがどれ程の人が癒されたことだろう。

そうしてそんな時代劇を今も求めている人が多いのではないだろうか。



今日は入学式と始業式がありめいちゃんは5年生になった。

中学校のことは何も分からない。娘も何も言ってはくれなかった。

あやちゃんは在籍しており決して除外はされていないようだが

情報は全くなく何だか宙ぶらりんの中学生となった。

もし学校に行けるようになってもどんなにか戸惑うことだろうか。

クラスメイトの顔も知らないのだ。余程の勇気が必要に思う。


旅立ちの春であるが咲けなかった花もあるだろう。

けれども決して枯れはしない。みんなみんな生きているのだから。


       
         若葉

      ひとつきりの実もない
      過ぎた日の秋をおもう

      鳥と戯れることもなく
      寂しい季節であった

      木枯らしに晒された冬
      枝先には雪が積もった

      寒さにふるえながら
      優しい陽射しを待つ

      嘆いてはならない
      悲観してはならない
      涙を流すこともなかった

      辺りの樹々が花を咲かす
      何と誇らしい姿だろうか

      「だいじょうぶよ」
      風が春の声を運んで来る頃
      むくむくと枝先に命が宿る

      それは若い緑であった
      どれほど待ったことだろう

      きらきらと輝く新しいいのち











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