2004年08月05日(木) |
不定期連載:セルピコさんのやりくり旅日記6 海辺にて(悪霊オプション無し) |
魔女さんの護符のおかげで、私たちは昼間に行動出来る様になりました。ですがどう転んでもおさんどんは私の役目です。無骨な剣士、魔術以外はおこちゃま、自称最強剣士志願のまだおこちゃま、銀のスプーン以外持った事のないお嬢様、妖精二匹‥。‥ふう‥‥(溜息)。 まあ、海辺ですので、シーフードに偏りますが食べ物は豊富です。手が空いている方に貝やエビ、カニ、その他を集めて下さる様お願いしました。
「セルピコ、見てちょうだい。こんなにカニが捕れたのよ」
‥‥‥ファルネーゼ様はどうしていつもストライクに間違うのでしょう? スベスベマンジュウガニを大量に抱えて微笑んでいらっしゃいました。 私が、そのカニは毒を持っていて食用には不向きなのですと申し上げると、泣きそうなくらい意気消沈してしまわれました。‥‥‥私の方が悪い事をしたみたいです。 とりあえずカニはよして、蛤やアサリを捕って下さいとお願いしました。潮干狩りですね。キャスカさんと遊びながらでいいですから、こう砂浜を掘ると貝が見つかりますとお教えしました。 キャスカさんはアメフラシをつついて、紫色の汁を出させてました。砂浜に響き渡るファルネーゼ様の「きゃあーっ!」という悲鳴。 魔女さんは、フローラさんがあんな事になってしまって、ぼーっとしている事が多いです。仕方がありません、お家をなくしたのですから。ガッツさんが話し相手になっている様子。 イシドロさんは、食べ物集めて下さいとお願いしても何処ふく風です。また海に飛び込んで服をべたべたにしています。洗濯は自分でしてくださいね。 妖精二匹‥‥。ふっ‥。
その日の夕飯はイカも手に入りましたので、ペスカトーレとアンチョビのサラダ、イカ墨のリゾットを作ってみました。ペスカトーレとサラダはまあまあ好評だったのですが、イカ墨のリゾットは私とファルネーゼ様、キャスカさん以外は胡散臭そうな目でみて口をつけてくれません。美味しいのに‥‥。
「美味しいわ、これで白トリュフとカラスミがあればいいのに」
「そうですね。それに良いワインでもあれば言うことありません」
「はい、キャスカさん、あ〜んして」
私とファルネーゼ様の貴族な会話に、皆さん少々引き気味でした。 イカ墨は美味しいのですが、口元が黒くなるのが難点です。黒い雑炊状の食べ物を口にする私たちを、ガッツさん、シールケさん、イシドロさんは使途でも見るような目で見ています。 パックさんはリゾットのナベの中にダイブして、イバレラさんに怒られてました。 こうなったらシャーベットでも作ってみようじゃありませんか。なんとなく‥‥。
====================================================== トリビア:中世ヨーロッパではアイスクリーム、シャーベットは 王侯貴族しか食べられないお菓子でした。 ベルセルク世界も中世ヨーロッパに似た世界と考えれば 同じ様な事情かも。ちなみに発祥地はイタリア。
|