ハッピーステップ
泥沼生活から、這い上がった軌跡(日記のはじめのほう)を書いた後
最近では、日常の感じた事をつらつらと、不定期に更新中ですm(_ _ )m

2003年08月15日(金) 第14章 沈黙

自然に、私の足は、会社へ向かっていた。


まさか、社長が休日出勤していたなんて・・・・


私は、会社の向かいのビルの階段を駆け上がり、
その窓から、じっと、会社の玄関を観察し続けた。

彼が、玄関から出てくるのを期待して・・・


ところが、一向に出てくる気配はなかった。


もしかしたら家に電話があるかもしれない。
そう思い直して、家路を急いだ。

何も知らない周りの目から見ると、かなり奇妙にうつっていただろう。
それくらい、周りの目も気にならないほど、悲壮な顔つきでそわそわしていた。


もう、5時を過ぎていた。家に着くと、妹がいた。
私は、ぷつんと、緊張の糸が切れ、わぁっと妹に泣きついた。
「どうしたの?!」
妹は、私の話の一部始終を黙って聞いた。


得意先の人をよそおって、妹に会社に電話をかけてもらった。
「わかった、いいよ」



「○○会社です。お世話になっております。中村さんは、いらっしゃいますか?」
そう言葉をかわして、次に妹は、そっと私に、受話器を渡した。


電話に出たのは、彼だった。
私からの電話を待って、一人で会社に残っていたのだ。


「私、大変な事をしてしまったの!!!」
私は、今日起こった全てを泣きながら彼に話した。

「なんだ、そんなことか、おれはお前が事故でも起こしたのかと
思って、びっくりしたよ。これから会って話をするか?」

彼は、落ち着いていた。
「そんなの全然へっちゃらだよ」とでも言いたげだった。


私は、安心して、彼に会いにでかけた。 
しかし、郊外デートを楽しむ心の余裕はなかった。
結局、いつものように飲んで、ホテルへ・・・・・


次の週初め、緊張して会社へ行ったが、不気味なほど社長に変化はなかった。



あくまでも、この日だけは・・・・・。



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