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奈良
奈良へ行って帰ってきました。 前回行ったのは、法隆寺の焼けた金堂と壁画の特別公開があったとき・・・はて、いつだったかしらん?10年くらい前かな?焼けた内陣が収蔵庫の中にそのまま保存してあって、「虚無」を見せつけられたようで背筋が寒くなる思いがしたものでした。
今回は老いた両親、修学旅行以来の夫、修学旅行で行ったか行かないか、大仏を見たような気もするし、見なかったような気も、という心もとない息子の総勢5人で行きました。本当は一人がいいんだけれどね。
なにしろ老人饗応がメインですから、お水取りに焦点を定め、まずは手近な興福寺を見てから国立博物館で事前学習(というと堅いけれど、これを見てから本物を見るとありがたみ倍増)を済ませ、春日奥山の料亭で修二会会席なる料理をいただき、二月堂にいざ出陣。
あいにくの雨模様ながら、人出はたっぷり、時々鹿まで混じっていて、ご愛嬌。火の粉の飛ぶような真下からはほど遠いものの、なかなか面白かったです。10本のたいまつ、本当は行に入る僧侶を送り届けた時点で御用済みなのに、見物客にとっては「お楽しみはこれからだ」で、走って振り回してくれて、これもお坊さんの所作だとは思えません。いなせな鳶の兄さんがやってるような気持ちになって、「××屋!」とでも声をかけたくなります。
両親も満足してくれて(父は半呆けなのでもう忘れているかもしれないけど)、それなりに冥土の土産ツアー成功だったかな?
翌日(つまり土曜日)は「ならまち」をぶらぶらしてから、浄瑠璃寺、岩船寺、般若寺を観光タクシーで運転手さんのガイド付きで回って、やっぱり奈良はいいなあ、と思って帰京しました。
万葉集にも古代史にも常識以上の興味はありませんが、奈良のお寺を見ると昔のハイテク、先端技術を見る思いです。宗教が自衛隊であり、農林水産省であり、厚生労働省であり、文部科学省であり、要するに生活のすべてをつかさどった世界において、寺院や仏像がどれほど大きな意味を持ったか、大仏鋳造はもちろん、山の中にそびえる塔にもどれほどの思いが込められたかを想像するに、胸キュンを覚えないでいられましょうか。
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