言の葉孝

2012年03月17日(土) 時間が運ぶもの

 筆者は駅弁が好きである。色とりどりのおかず、工夫を凝らした包装、車窓を眺めながら食べるその雰囲気が旅気分を盛り上げてくれる事が嬉しい。
 先日購入した駅弁は「ありがとう300系引退記念弁当」。長年愛されてきた100系、300系新幹線車両が3月16日に引退を迎えたのだ。弁当は300系の運航開始当時の味を再現した幕の内弁当だった。
 1964年に営業開始した初代0系から48年後の今現在活躍中のN700系まで、時速も200kmから300kmに増えている。無線LANにも対応し、乗り心地もよくなっている。時間が運んでくるのは古い技術との別ればかりではない。

 日経新聞電子版の17日夕刊に「富山・神通川流域、再び農地に」という記事があった。四大公害病の一つであるイタイイタイ病の発生地だ。その土壌はカドミウムに汚染され、農地利用ができない状態だった。汚染された土壌をそっくり入れ替え、農地として再生したのである。
 33年も掛かった。だが33年掛ければカドミウム汚染から土壌は復活するのだ。時間の流れは絶望的な状況をも覆す。カドミウムと放射性物質は違う。だが今回の問題解決の一報が、福島の復興に希望と気力を与えてほしい。

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